ホモ•寿命150歳-4

現代科学の最重要課題は死を打ち負かし、永遠の若さを保つ方法を見つける事であると言う発明家のカーツワイルは2012年にグーグルのエンジニア部門のディレクターに任命され、「死を解決すること」を使命とするキャリコという会社を設立した。

 

グーグルは2009年にも不死を信じる投資家のマリスをCEOに採用した。マリスは「500歳まで生きる事が可能かと聞かれたら私の答えはイエスです」と答えている。そのような夢はシリコンバレーでの他の著名人たちも共通している。

遺伝子工学や再生医療やナノテクノロジーの分野は猛烈な発展をしているので、楽観的な予言が出ている。不老学のデグレイは2050年の時点で健全な肉体と豊富な資金がある人なら10年毎に修復治療を受け、手や足や目を改良する事が出来るだろうと述べている。

 

 

しかし見方を変えると、人はいつか死ぬと分かっているから、冒険をするし、命をかけて、突飛な事も出来るが、永遠に生きるなら、命を賭けるような馬鹿げたことをしなくなるのではないか。

 

平均寿命を倍にすると言う控えめな目標から始める方が良いかもしれない。人類は20世紀に40年から70年に平均寿命をほぼ倍にしているから、21世紀にはもう一度倍に150年に出来るはずと言う訳だ。

 

これが現実となった時家族が変わっていく可能性がある。40歳で子供を産んでもあと110年結婚状態が続くのは現実的だろうか、何度も結婚と離婚を繰り返す傾向が強いと思われる。

 

仕事ではこれまでは、10代から20代で1つの職能を身につけ、残りの人生をその職種で過ごすが、150年を生きる時代になると90歳になっても生活や仕事を一新しなければならない。さらに75歳で引退する事もないし、後進に道を譲ることもなくなるだろう。

 

上司が120歳で生き続け、2017年にスターリンが138歳で生き続け、モスクワに君臨していたり、毛沢東が123歳でかくしゃくとしている。現実に2050年に永遠の若さを手に入れるとか、不老不死が実現するとするのはまだ時期尚早と考える。
ホモ・若さと不老ー5
ホモ・生と死ー3