運と言うものは非科学的と言う人もいるが、出来るだけ科学的に、アプローチした人がいる。
それは脳科学者の中野信子である。彼女の考えは、運と言うのは客観的には全ての人に平等に降りかかるものだ。しかし運の良い人と運の悪い人がいるのも事実だ。
魚のマンボウは一度に2億7千万個の卵を生み、この内、親になるのは1から2匹と言われている。この一匹が生き残ったのは正に運が良かったとかんがえられる。
もし人間も同じと考えると運に対してただ身をゆだねるだけになる。しかし人間の短い一生と、比較的少ない集団での現象を観察すると、ダーウィンの生物は環境に最も適したものが生き残ると言う、適者生存が当てはまるケースが少なくないと考える。
人間の脳にはやる気を起こさせるドーパミンと過剰な活動を抑えるセロトニンがある。又集中力を高めるノルアドレナリンがある。そして全体を分解、調節するモノアミンがあります。この分解度合いが低い人は幸福を、感じやすいと見られます。
人は運のいい人になりたいと願って自分を変えようと努力しがちですが、自分の脳内を変えるのは至難の技です。
従って自分を変えるのではなく、自分を生かすのが大切です。自分を世間の標準に合わせるのでは無く、自分を生かすのが運の良い人になるための条件です。
あえて困難に立ち向かうのも、運を強化する方法の1つと言えそうです。
アインシュタインは4歳になっても言葉を話さず、小学校の高学年でやっと話せるようになったと言われます。そして高校は中退し、大学受験も失敗しました。企業の創業者も過去に相当な苦労している人が多いようです。
それは人の脳はストレスがかかった時、神経細胞(シナプス)を作る場合が多いようで、逆に安定している時はそれをキープする傾向があり、不安定な時は活発に活動する。
人生は常に判断の連続と言えますが、右へ行くか、左へ行くか迷う時、リスクのある方を選ぶと脳が喜ぶそうです。つまり脳が工夫するのです。少しリスクがある方が上手くいった時の脳の報酬系(ドーパミン)が強く働くようです。