インド哲学-世界の考え-3

ウッダーラカは息子に「すべての土から作られるものは、土である」と教えるが、それは壺や皿と言ったものは土から作られた変容物に過ぎない。
現象界の諸事物は根源的なあるものの変容であると言っており、それがこれまでとは違い論理的とみえる。いろんなものが姿を変えて現れてくるが、その本質は同じと言っている。


これは赤松明彦氏の「インド哲学10講」を参考に記述しています。「宇宙開闢の歌」は哲学思想の最高峰を示し、創造神を脱し、宇宙の本源を絶対的唯一物に帰している。「チャーンドーギャ、ウパニシャッド」は世のはじまりでは、世界は「ないもの」だつた。それが「あるもの」になった。

そして卵になり、一年後割れて、半分は銀に、半分は金になつた。銀はこの大地で、金は天空であり。このないものは無存在ではなく、秩序のない混沌(カオス)の世界をさしている。従って神が無から天と地を作ったとは全く異なる。つまり宇宙創造の神話である。
これに対し「ウッダーラカ」はどうしてないものからあるものが生まれるのかと言い切っている。存在と非存在が同時に成立することかは論理的に不可能だと言い切った、ここに神話から哲学への転換が見てとれる。


唯一のものは増殖しようと熱を生み出した。人はそこでは汗を流す、そこから水が生み出された、そして水たちは多くなろう、増殖しようとし、食物を生み出した。つまり根源的一者から熱と水と食物の三つが生み出されたと考える。

インド哲学-世界の考えー2