漢方医書の「新気存亡論」には次の様な表現がある。脈の中に力があるのが大切だが、それは強健ではなくて、中和の力を言う。
脈は柔軟な中にも力がある。これが脈中の神である。そして目の光は精彩で光沢があり、言語は清朗にして心は乱れない。
筋肉は枯削せず、呼吸は乱れず、大小便も順調である。されば神が存在していると言える。この神を養えば不老長生となる。
それを養うにいかなる薬を用いて良いかと言うと、「景岳全書」には何の薬も示さず、「知慎」ー心が隅々まで行届くーをもって最上の良薬としている。
記述している現在新型コロナウイルスが広まり、外出規制がされ、いかに身を守るかが難しい状況にあります。
慎を知れば身を守ることと害することとの別を知り、取るべき行為はとり、捨てるべき行為は捨て去ることが正確に出来る、これは仏教の精神とも合致している。
そうすれば精神を狂乱させるアルコール毒を全身に満たす酒を飲むことは出来ない。又身体の最も大切な精であり宝である精液を見だりに消費する事は出来ない。
同書の「先天後天論」にはこう説いている。先天とは生まれる前の事で、定命の定まっている事をさす。
後天とは生後自分の心によって生育していく事で、先天の定命もその行為によって変性する事である。先天的に強厚なものは長寿であって、先天的に薄弱なものは短命である。