カナダで始まったベーシックインカムの実験は2017年10月から比較的低所得の1000人を選び、3年間一人約10万円を支給する。
実験のきっかけはAIロボットの登場である。身障者の子供を持つシングルマザーは、そのお金でソーシアルワーカーになる為の定時制大学の勉強をはじめた。
他の人は電気技師としてはたらいていたが、インタネットが普及して仕事を失った。ストレスがたまり精神を病んだが、ベーシックインカムで、食生活を改善し、新しい仕事探しをしだした。
またある建設作業員はベーシックインカムを機会に会社を辞め、前からやりたかったデザイナーに転身した。
ところが2年も経たない去年の夏、政変があり、新しい政権が公約をひるがえし、財源不足で中止となった。
カナダの民衆にとっても、世界にとっても、中途の挫折は残念である。
ベーシックインカムは人生のシフトチェンジを助けてくれる。ベーシックインカムはAIロボットに無い創造性を人間から引き出す、社会的装置になると歴史家は訴える。
AIロボットの世界中の最先端を見たNHKの記者はアメリカとカナダを結ぶナイヤガラの壮大な滝を見学に訪れる世界中の人々を観察する。
そして多くの人がこれまでは無かったスマートフォンを持つ姿は、テクノロジーの豊かさからの後戻りは出来そうにないと実感する。
果たしてAIロボットが、一部の人を富ませ、多くを苦難に導く事になるのか、人類を真に豊かにするのか、社会の動きがかつて無いほど早くなっているので、私の生存中に一定の方向が出るのではないかと期待する。