これまで病気を引き起こすDNAばかり探してきたが、発想を転換して、病気を防ぐDNAをもっと探すべきではないかとの機運が増してきた。病気にならない理由を研究すべきと考え出した。
トレジャー(宝物)DNA探し がはじまった。
本来DNAとは細胞の中の1/100ミリの核のなかにある。
コーヒーを飲むと、97%の中からカフェイン分解を指示するDNAが動き出して、遺伝子に働きかけると遺伝子の中からカフェインを分解する働きのするDNAのコピーが出てくる。
このコピーは核の外に出て、物質製造機とぶつかり、製造機はその指示通りカフェイン分解物質を作り出す。
そこへカフェインが来ると飛び込んで分解していく。それが繰り返されて分解物質を大量に作り分解していく。
HIVにかかってもエイズを発症しない人がいる。かかる人とかからない人のDNAはどこが違うか、かからない人のトレジャー(宝)DNA探しが始まった。
DNAは全ての人が同様に持っているが、その各々にスイッチがあって、ガンにかからないDNAがあっても、そのスイッチがオンになっていないと、効かないらしいとわかってきた。
肥満や記憶力や音楽、持久力、寿命など全ての遺伝子にスイッチがあって、コントロール出来る可能性が浮かび上がってきた。
遺伝子には驚くべき精密でしなやかな仕組みがある。