アメリカの交流サイトで、世界27億人が利用しているフェースブックが「リブラ」と言う仮想通貨構想を発表した。
スイスに運営団体を置き、取引データの改竄が難しい「ブロックチェーン」を活用し、銀行を介さないお金の取引を目指す。
世界で口座を持たない17億人に金融サービスを提供し、新しい顧客の開拓と広告だけに頼る収益構造の改善につなぐ狙いだ。
一方フェースブックは昨年8700万人の利用者データの他の企業への流出事件で不信を招いており、米議会では厳しい反応が続いた。
米連邦準備理事会は「利点もあるがリスクもある」との見解を出した。
GAFAの中でも、アマゾンは金融分野への進出を虎視眈々と狙っているが、フェースブックが本命と言われる。
リブラはビットコインのように大きい価格変動を防ぐ為、スイスに置く「リブラ協会」にリブラの発行量と同等の資産を確保し、変動の少ない米ドルと「定比率」で交換できるスマホのアプリを使い、交換できる仕組みにし、安定した交換手段とする方針だ。
不正アクセスで奪われた場合は被害を補償し、プライバシー保護の為に、利用者のデータは広告のための利用はしない事や、ビットコインでの「マイニング」は採用しない事などを決めている。
しかしまだまだ詳細がはっきりしていないとの指摘がされているため、規制当局からゴーサインが出るには時間が必要と思われる。
仮想通貨は大阪市で開かれるG20(20カ國首脳会議)でも、話題にあがり議論される見通しだ。
但し利用者が多いフェースブックが行う場合、購入者の本人確認もされず、匿名性が高い為、テロ資金やマネーロンダリングの犯罪への利用リスクも考えられる。
日本では資金決済法で仮想通貨は「円やドル等の通貨建資産は除く」としている為、ドルと一定交換比率とするリブラは仮想通貨に該当しない可能性もある。
ただしこれが大量に流通すると、各国の金融政策にも影響しかねない為、警戒感も広まっている。