人類の第2の課題となるのは何だろう!!。
この二つ目のプロジェクトは「幸福の追求」だろうという。古代
ギリシアの哲学者は死後の世界は無く、幸福こそが人生の目的で
あると説いた。18世紀のジェレミー、ベンサムは最高の善は「最
大多数の最大幸福」と言い、国家と科学界の唯一の価値ある目標
は全世界の幸福を増進する事であると結論した。
政治家は平和をもたらし、実業家は繁栄を促進し、科学者は自然
を研究するべきで、それは誰もが幸福な生活を楽しめる事が出来
るようにするためだった。19世紀から20世紀はベンサムに賛同す
る人は多かったが、口先だけで、実際は国土の拡大やGDPの増大
で成功度を測った。
先進国は教育、医療、福祉に力を入れたが、それは個人より国家
の強化を目指すものだった。
20世紀には国家の成功度の基準は1人当たりのGDPだったかもし
れない。一人当たり年間56000ドルを生産するシンガポールより
14000ドルしか生産しないコスタリカは国として成功していない
と考えた。
ところが今日思想家や政治家や経済学者までGDP にGDH(国内総
幸福)を補足する、あるいは置き換えることさえ求めている。結局
人は生産したいとは思っていない、幸せになりたいと望んでいる
のだ。生産は幸福のための物質的基盤を提供してくれるが、あく
まで手段にすぎず目的ではない。
あなたは非常に生産的であるが、不満を持つ人になりたいか、生
産は低いが満ち足りたひとになりたいか。こう考えると、21世紀
に掘り下げてみたい第2の目標が幸福になりそうと言う説は、説
得力がある。