池上さんが聞くーIPS細胞ー4

◆DNA鑑定とは何を調べるの?
DNAの塩基の並び方にはすこしだけの差、個人差があります。犯罪捜査や親子鑑定の時使われるDNA鑑定では、個人差を何箇所かしらべて、同一人物か、親子かの確率を高めます。


◆クローン、ES細胞.IPS細胞とはなんですか?
細胞には色々ありますが、1番最初の受精卵は手足にも心臓にもなります。つまり万能細胞です。


通常手足の細胞になると、万能細胞の内手足の機能に必要な部分のみがスイッチオンとなり、不必要な機能は全てスイッチオフとなる。

ES細胞は受精卵が細胞分裂した時に採取された細胞で、未だ全てがスイッチオンの状態です。従って凡ゆる種類の細胞に変化できます。

IPS 細胞は皮膚や白血球など、既に特定の細胞に変化してしまったものを、変化前に戻した細胞です。

つまりスイッチオフになっていたものを、全てオンに戻すのです。正式には人工多能性肝細胞です。

一度変化したら元に戻らないのが常識でしたので、最初に発見した山中伸弥先生も理解してもらうのに苦労したそうです。

受精卵からES細胞を取り出すのは大変ですがIPS 細胞は普通の皮膚細胞からでも採取出来る利点があります。

◆IPS 細胞を使ってどんな事ができますか?
IPS細胞が発見されて約十年が経ちますが、最初は網膜色素上皮細胞シートを作り、加齢黄斑変性症の患者に移植した例は大きな副作用も起こっていません。


他にはIPS細胞から作ったドーパミンと言う神経伝達物質になる前の細胞をパーキンソン患者に移植する。

角膜の目の病気の患者にIPSの角膜上皮細胞シートを移植する、心筋症患者に心筋細胞シートを移植するなどが行われてきました。

細胞を使って病気や怪我を治す「再生医療」に使われるようになっています。さらには薬作りにも使われています。

例えばIPS細胞から肝臓や神経細胞を作って、肝臓や神経の病気に対する薬を試して見る方法です。いきなり人の肝臓にテスト出来ないので、すごく有効なやり方です。

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