◆細胞の定義である「境界、自己増殖、代謝」の内境界と自己増殖について取り上げてきました。細胞膜と言う境界やDNAが複製されて細胞分裂し、増殖する能力でしたが、代謝とはなんですか?
代謝とは細胞のなかで起こる化学反応や物質のやりとりの事。DNAを複製したり、細胞の外にあるブドウ糖を細胞内に、取り込んだりする事です。
この働きはタンパク質の働きで起こされます。タンパク質は細胞が生きていくための機能、つまり生命現象のすべてを司っています。
◆タンパク質は具体的に何をしていますか?
生命の中ではなんでもやっています。呼吸の場合、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンはタンパク質です。
消化酵素では食べ物を細かく分解するアミラーゼ、脂肪を分解ふるリパーゼ、タンパク質を分解するペプシンなどは全てがタンパク質です。
タンパク質分子はナノメートル単位、10億分の1メートルの小さなものが集まって心臓も動かしている。人間の体を会社とすると、タンパク質はその社員みたいで、全体で2万5000種類あります。
◆生物の統一原理とは何ですか?
生命の設計図DNAと凡ゆる生命現象を担うタンパク質とはどうつながるのでしようか、ここでセントラルドグマ(生命の統一原理)が登場します。
DNAからタンパク質を作る時RNA と言う介在物質があると言う仮説が表れました。RNAはDNAに似た物質ですが、らせん状態では無く、一本の紐です。
これがDNAの一部を複写し、RNAを元にタンパク質が作られる。この仮説は正しいことが証明されています。このセントラルドグマは地球上の全ての生物に共通の仕組みです。