宇宙戦争と人工衛星ー24

弾道ミサイルは高度3万6000キロの静止衛星軌道を周回する。宇宙戦では他国の衛星に体当たりして攻撃する「カラー衛星」も威力を発揮する。

宇宙ではもはや米国が安全に作戦を実行する特権を使えなくなっていると米国空軍大将は今年6月に強調した。


米国の宇宙軍は1985 年レーガン政権下で設立された「スターウォーズ計画」と呼ばれた。スターウォーズ計画とは1983年宇宙に展開する対ソ防衛網構想で戦略ミサイル構想とも言う。

衛星軌道上にミサイル衛星やレーザー衛星や早期警戒衛星(弾道ミサイル発射探知で発射炎を、赤外線カメラで探知する)などと、地上の迎撃システムと連携して、敵国の大陸間弾道弾を、迎撃、爆撃し(アメリカ本土への被害を最小にとどめる為)を整備した。

スターウォーズ計画は2002年に解体され、核戦略を含む戦略軍に吸収された。しかし中国ロシアが宇宙への軍事進出を鮮明にしたため、復活を決めた。

ミサイルやキラー衛星を使うと大量の破片が宇宙ゴミとして、撒き散らされる。そこで電波を使った通信妨害等の攻撃が現実的となってきた。

ロシアは2014年ウクライナ紛争で通信妨害によってウクライナ軍の軍用通信を遮断し、自軍を優勢にした。

米紙は中国が南シナ海のスプラトリー諸島に電波妨害の装置を配置したと報じている。日本も遅まきながら対応を本格化した。

2018年に決定した防衛計画では宇宙やサイバー、電磁波等の「新領域」での防衛力装備を強調、防衛省は現代の戦いでは宇宙空間は死活的に重要としている。

日本は宇宙ゴミを見張る「宇宙状況観視(SSA)」に力を入れている。日本の衛星に不審ものが接近したら回避さす。

航空自衛隊も100人程度の専門部隊を発足した。

但し日本は憲法等で宇宙は対象外になっており、衛星を攻撃はできず、経済制裁しか出来ないので、今後は宇宙での武力攻撃に対しての自衛権への道筋を整理する時期が来ている。

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