著名な科学者の中でユダヤ人の占める割合が高い。ユダヤ人は科学系のノーベル賞の1/4以上を獲得している。一方人口は世界の1/600に満たない。アメリカでは人口は3%未満だが、企業のCEO(最高責任者)は20%に達している。
ユダヤ人はなぜ知能が高いか、この謎に迫ったのが、物理学者のグレゴリー.コクランと人類学者のヘンリー.ハーペンデイングだと紹介するのは、最近ベストセラーとなった「言ってはいけない」を発表した橘玲だ。
2人の研究によるとイスラエルのIQ検査の結果、極めて知能が高いのはドイツ系ユダヤ人で、その他のユダヤ人は平均と変わらなかった。彼らのIQは平均100に対して、112〜115である。彼らはライン川沿いのユダヤ人コミュニティを発祥とし、その後ポーランドやロシアに住んでいた。
ユダヤ人への最も激しい差別により人口の増加を抑えられ、キリスト教で禁止されていた金貸しで生計を立てざるを得なかつたそうだ。この条件にユダヤ人独特の多民族との婚姻を禁止する条件が加わると、数十世代の内に知能の遺伝的変異が起きたと推論する。金融だけを生きるすべとするとヨーロッパの富裕層は数学的知能が優れていったのだろう。
ユダヤ人は多産ですので、裕福なユダヤ人は飢饉でも生き延び、多くの子を産んだ。今でもドイツ系ユダヤ人(アシュケナージ系と言う)は祖先の中東人の遺伝子を50%近く保有している。これほど同族婚が極端だと、有利な遺伝要素は集団内に蓄積される。
しかしその反面ティーサックス病、ゴーシエ病、自律神経障害、遺伝説乳がんと言った遺伝病を持つ率が高い事が知られている。これらの疾患は通常のヨーロッパ人に比べて100倍高いと言う。
一方イスラム圏に住むユダヤ人は手作業や革なめし職人、肉屋、絞首刑執行人などの職に就き金融業に特化しなかったため、IQが平均と変わらなくなった。従ってドイツ人系ユダヤ人の高い知能はヨーロッパでの厳しい差別から生まれた事になる。