珍問•疑問ー3

高齢になると誰もが悩み始める記憶力の低下。子供の頃はスポンジが水を吸い込む様になんでも記憶できたのにと嘆く人も多いだろう。

しかし記憶力について一つ不思議なことがある。子供の頃は記憶力バツグンなのに、なぜ生まれてから数年間の記憶が無いのだろうか?

人間の記憶は、まず脳の大脳辺縁系にある海馬にファイルされ、整理整頓されたのち、大脳皮質の連合野に長期保存される。

つまり新しい記憶は海馬にファイルされ、古い記憶は連合野にファイルされ蓄積していく。


長期保存が可能な大脳皮質は、働きの異なる領域に分かれている。

たとえば目にしたものの形についての記憶は側頭連合野に、家の中のどこに何があるかと言った記憶は前頭連合野ときうふうに、それぞれの内容に関係する機能を持つ領域に保存されていく。

こうして記憶されると、後になってもその記憶を引き出すことができる。


ところが赤ちゃんの脳は場所によって発達時間が異なり、生後の早い段階でほぼ完成する領域もあれば、なかなか発達しない領域もある。

記憶、認識、判断に関わる連合野が遅いため、生後間もない頃の記憶は長期保存されていないから、幼い頃の記憶は残っていないのだそうだ。

珍問、疑問ー2
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