宇宙のDNAとサピエンスー19

宇宙飛行士のスコット、ケリーさんには同じ一卵性の双子の兄がいます。宇宙ステーションに340日滞在し、その間の血液を保存した。
①宇宙へ行く前と後でスイッチは変わっているか、②その変化が兄のDNA に起きていない事の確認、③その結果宇宙で起きた変化だけを絞り込む。


調査の結果、9000以上のスイッチの変化があった。宇宙には強い放射線が降り注ぐ為、DNAに傷がつき、ガンなどのリスクが増える事が分かっている。

それに抵抗するためDNA 損傷の修復するスイッチがオンになり、又無重力では骨がもろくなるので、骨を作る物質を増やすスイッチがオンになっていた。

DNAスイッチを切り替える事により、人は新しい環境にも適応出来る事が分かってきた。

その他彼のDNAは帰還時変化した、その後大半は戻ったが、7%程は恒久的に戻らなかった。影響のあったのは免疫性、骨形成、低酸素症、炭酸ガス血症などである。

また当初テロメアが短くなると予測したが、長くなっていた。しかし残念ながら元に戻ってしまい若返りの期待は失敗に終わった。その原因は分かっていない。

腸内細菌はガラッと変わったが、帰還後は元に戻った、これは食事のせいか重力や放射線のせいかはまだ分かっていない。

認知能力は宇宙では変化が無かった、帰還後頭の回転や精度で僅かな低下が見られたが、それは静かな宇宙から騒がしい地球に戻ったからだと考えられている。

双子のDNAとサピエンスー18