三十年後ーチップの今後ー5

チップを小型化してもかつてのような高速や省電に繋がらなくなつている。むしろコストがアップしてきた。シリコンバレーではムーアの法則は終焉に近いのが定説になつている。

インテルでは2020年初頭には5ナノメートル幅で、配置したチップを完成する事ができるかもしれないが、それ以上の微細化は無理だろうと述べている。

50年にわたり進歩を進めた要素のひとつが終わる。

しかしコンピュータには微細化以外にも性能を高める手段はあり、ムーアの法則がコンピュータ革命の終焉を意味するのではない。

ただし今後数十年の革命は過去のものとは違ったものになるだろう。
勿論コンピュータの高性能化が未来を考える時の大前提になつている。未来予測の多くはそれを前提にしているのに間違いは無い。
今後の方向の1つはソフトウエアーの質の向上だ。


これまではソフトウエアーを見直すより、ハードウエアーの高速化を待っていれば良かったが、ハードウエアーの変更が無ければ、プログラマーはソフトの改善に時間を割けることができる。

もう一つの選択肢は汎用的なチップから、専門性の高いチップを設計する事だ。

例えばファイルの解凍、暗号化のための計算、3Dグラフィックの様な特定用途向けの仕事を高速化する為の特殊回路を備えたチップの開発が必要となつてくるだろう。

三十年後ーインテルの奇跡ー4