「遺伝子の未来」遺伝子編集技術は遺伝子の配列情報を文書とみなし、文書作成ソフトの検索や置換機能を利用すると正確に特定の配列を発見し編集できる。
しかし視力や知能の遺伝子治療は遺伝子操作へと発展する事が想定され、そういったテクノロジーをいかに規制するかの議論が始まっている。
SF作家ははるか先の可能性を検討している。若返り治療によって何百年も生きられるようになった時、それに手を出せるのは富裕層だけだろうか、その時自らの体を改造して、羽、エラ、ヒレを手に入れる事を認めて良いのだろうか。
人が住めるように他の惑星を変えるより、人間を変えてほかの環境でも生きられる様にした方が合理的ではないか。
自分の脳をロボットに移植したい人、あるいは自分に修正をして人間でない何者かになろうとする人がいるかもしれない。
遠くない未来には遺伝子の対象や自己操作について、どの程度なら自由を認めるかの議論が起きるだろう。
以上今後30年間に大きな進歩の可能性がある4つの分野を見てきた。
この状況は17世紀に顕微鏡や望遠鏡などの新しいツールが数学と結びついた時期に似ている。
そして物理学や生物学にいかに無知であるかを自覚して、豊かな発見と発明がされた。
今日の科学技術の状況は遺伝学やAIはまだ初歩的なもので、今後数十年にわたりビッグデータや機械学習などの情報処理についても起こるかもしれない。
学問の領域でも交流が進むだろう、遺伝子は生物学と医学を情報科学に変えた。
神経科学と脳の構造の研究、コンピュータ科学と神経ネットワーク構築などで双方のやりとりが増している。