見えない世界と五感-1

私たちは情報の8から9割を視覚から得ていると言う。情報の社会と言われる現代はどこへ行っても情報に溢れている、それは殆どが目から入ってくる。

しかしこの情報は全てが写真の様に頭に入ってくるものではないそうだ。24時間365日全ての情報が脳に蓄積されては狂ってしまうだろう。

目に入った情報は巧妙に選択され、加工されて記憶される。この時基本になるのは、その情報が自分にどんな意味があるかが大切となる。
人や動物は常に必要な物を本能的に求めながら行動している。


モンシロチョウがキャベツ畑を飛んでいます。このモンシロチョウにとって時間帯によってキャベツ畑の見え方が違ってくると言います。

午前中は交尾の時間帯です。オスは相手を求めて飛び回ります。あたりに葉や花があっても目もくれません。ところが午後になると空腹になり、今度は花の蜜を求める様になります。急に花が見え始めるのです。しかも開いた花だけが意味のあるものとして見えると言う。


人間でも青春時代は若い女性ばかりが目にはいるが、腹が減ってくると食堂や喫茶店ばかりが目に入る。本屋に入ると興味ある本しか目に入らない。

言葉でも話相手の声は分かるが、他人の声は雑音として耳に入らない。目は全てを見ている様で、見ていない、興味あるものだけしか目に入っていない。こう述べるのは「目の見えない人は世界をどう見ているか」の伊藤亜沙氏だ、

人はその人が興味あることしか目に入らない、だから同じ景色を見ていても、各々違ったものを見ているし、全く興味がないなら、見ていても見ていない事になる。その人にとって意味あるものしか見ていない。