ラットの実験ではオスとメスを同じ部屋に入れると交尾を始めるが、やがてオスは飽きてくる。そこに別のメスを入れると、新しいメスと交尾すると言う。この性行動は「クーリッジ効果」と呼ばれ、自分の遺伝子のコピーを増やし精子を有効に使う為の戦略だと言う。
これが多くのオスが浮気をする進化論的な理由だとすると、メスは別の戦略で対抗する。
メスの問題は優秀な遺伝子を持つオスにはライバルが多く、独占可能なオスは優秀な遺伝子を持っていない事だ。これには簡単な解決方法がある。優秀な遺伝子を持つオスの子供を、献身的に子育てするオスに育てさせればいい。
鳥ではホトトギスやカツコウなどは他の鳥の巣に自分の卵を入れて育てさせる、これは托卵と言うが、卵はよく似ているので分からないが、生まれると他の鳥より大きいので、他の小鳥を追い出して独り占めしたり、早くふかして後から生まれた小鳥を殺してしまうなど、恐ろしい戦略があるそうだが、人間もよく似た作戦を取り入れているとは驚きである。
つまりメスの最適戦略は他人の子供を自分たちの子供だと巧みに偽って育てさせることである。生物学者のロビン、ベーカーによると、平均して、男性の10%は他人の子供を誤解して育てていると言う。
これは所得によっても異なり、最低所得層では30%にはねあがり、最高所得層では2%に激減する。高所得の男性と結婚した妻が夫を騙そうとは思わない。発覚した時に失うものがあまりにも大きいから、この戦略を採用しようとは思わない。逆に低所得層の家庭に夫と血の繋がらない子供が多い理由がある。
哺乳類の番(つがい)の作り方には一夫一妻、一夫多妻、乱婚がある。霊長類ではゴリラが一夫多妻、チンパンジーとホノボが乱婚、テナガザルが一夫一妻だ。
ヒトはどうなっているのだろうか、ヒトは「一夫多妻に近い一夫一妻」と言われてきた。男は妻が他の男とセックスしないよう拘束する、その一方で機会あれば妻以外の女性とセックスしようとする。
それに対して女は夫が自分と子供を裏切って他の女に資産を投じる事を警戒する。このお互いの監視によって一夫一妻が保たれているが、男の欲望は多くの女とセックスすることかだから、権力を持てば、ハーレムを作ろうとする本能が出てしまう。
「社会について」カテゴリーアーカイブ
一夫一妻と生物進化-2
哺乳類のつがいの作り方には一夫一妻制、一夫多妻制、乱婚の3つがある。現在のヒトは一夫一妻制を守っているように見える。では動物界の事情はどうだろうか、
多くの哺乳類は排卵期にはメスの生殖器が赤くなりオスを誘惑する。オスはそれを見て発情する。メスが受胎可能でない時期は、オスもセックスに興味を示さない。進化論的に、ムダな事をしない仕組みは合理的だ。ところがと「言ってはいけない」で橘玲氏は述べる。動物学者はヒトの行動が特殊なことに気づいた。
ヒトのメスは排卵期を隠して生殖可能な時期を分からなくした。そして受胎できるかどうかにかかわらず、セックス出来るように進化した。メスの排卵期を知る事が出来なくなったオスはいつでも、どこでもセックスを求めるようになった。
性への妄想が知識の進化や文化の成立をもたらしたと考える学者も多い。
哺乳類では生殖でのオスとメスの投資額に大変差がある。オスは精子の放出に殆どコストがかからないが、メスは妊娠後子宮内で赤ちゃんを育て、出産後も授乳が必要になる。
その為オスはなるべく多くのメスとセックスしようとし、メスは貴重な卵を有効に使う為にセックス相手を慎重に選り好みする。
この条件では群れのなかでは最も強いオスが優れた遺伝子を持つとしてメスを独占しやすい。メスには遺伝子の劣ったオスとセックスする理由が無いから、多くの動物に一夫多妻が見られる。
ただし人には乳幼児が自立するまで長期の養育が必要になると言う特徴がある。この場合は遺伝子の優劣だけでオスを選択する訳にいかなくなると言う。
一夫多妻で多くのメスと1人のオスでは十分な養育費の支援が受けられない。10の資源を3人で分けるのより、4の資源を1人じめした方が経済的に合理的だ。これがヒトの社会では一夫一妻制が広く見られる理由とされる。
日本のキャッシュレス-47
LINEは日本国内月間7900万人が使っているが、その内3000万人がQRコード決裁に登録していると言う。このLINE PAYは保険、資産売り買い、家計簿、銀行ローン等に使われる。
又これまでお金を借りるには担保等が無いと駄目だつたが、日々の取引や返済実績等から信用度を割り出す信用情報を作り、貸出する、新しい取り組みをしている。
売上データの活用では個人情報を守る為、データの利用はするが、個人の特定はしないと言っている。その約束事は大変必要だが、データはサーバ上に細かく残る訳だから、個人の特定をしようとすれば出来るのが問題でもある。悪意ある活用も可能である。
情報が富となるのが分かって来た今日、個人情報は個人にとって、大切な宝である。この個人情報を守る仕組みが「情報銀行」の設立だ。
そこへの情報の提供は自分で決められている。そして相手企業ごとに、開示する情報を選択する。すると企業からは割引券がもらえたり、ポイントが付いたりする。
個人情報はユーザが心地良い情報の使い方、権利と利便性のバランスを取るのが必要になってくる。
平たく言えば、家族には話すが隣人には話さない情報や、近所に話すが、他人には話さないなどの、情報をバランス良く使い、情報という宝を大切に、有効に使い、明るキャッシュレス社会を目指すべきなのだろう。
ユダヤ人と知能の高さ-10
著名な科学者の中でユダヤ人の占める割合が高い。ユダヤ人は科学系のノーベル賞の1/4以上を獲得している。一方人口は世界の1/600に満たない。アメリカでは人口は3%未満だが、企業のCEO(最高責任者)は20%に達している。
ユダヤ人はなぜ知能が高いか、この謎に迫ったのが、物理学者のグレゴリー.コクランと人類学者のヘンリー.ハーペンデイングだと紹介するのは、最近ベストセラーとなった「言ってはいけない」を発表した橘玲だ。
2人の研究によるとイスラエルのIQ検査の結果、極めて知能が高いのはドイツ系ユダヤ人で、その他のユダヤ人は平均と変わらなかった。彼らのIQは平均100に対して、112〜115である。彼らはライン川沿いのユダヤ人コミュニティを発祥とし、その後ポーランドやロシアに住んでいた。
ユダヤ人への最も激しい差別により人口の増加を抑えられ、キリスト教で禁止されていた金貸しで生計を立てざるを得なかつたそうだ。この条件にユダヤ人独特の多民族との婚姻を禁止する条件が加わると、数十世代の内に知能の遺伝的変異が起きたと推論する。金融だけを生きるすべとするとヨーロッパの富裕層は数学的知能が優れていったのだろう。
ユダヤ人は多産ですので、裕福なユダヤ人は飢饉でも生き延び、多くの子を産んだ。今でもドイツ系ユダヤ人(アシュケナージ系と言う)は祖先の中東人の遺伝子を50%近く保有している。これほど同族婚が極端だと、有利な遺伝要素は集団内に蓄積される。
しかしその反面ティーサックス病、ゴーシエ病、自律神経障害、遺伝説乳がんと言った遺伝病を持つ率が高い事が知られている。これらの疾患は通常のヨーロッパ人に比べて100倍高いと言う。
一方イスラム圏に住むユダヤ人は手作業や革なめし職人、肉屋、絞首刑執行人などの職に就き金融業に特化しなかったため、IQが平均と変わらなくなった。従ってドイツ人系ユダヤ人の高い知能はヨーロッパでの厳しい差別から生まれた事になる。
日本企業のクラウド-14
2017年に東急ハンズは自社のデータセンターを閉鎖して、全ての業務システムをAWS(amazon web servises)に移した。そのきっかけとなったのは2011年の東日本大震災でデータセンターが止まった事とネットセールで急増するアクセスや出店の増加で増えるデータ量への対応もクラウドだと柔軟に対応出来ることにあった。
今後東急ハンズはAIをプログラマーでなく、業務知識の豊富な人が開発出来、顧客データの分析や店舗決裁の仕組みの効率化を進めたいと考えている。
ゲームは速さとスケールの大きさが必要な世界で特にクラウドの威力が発揮される。
バンダイナムコが展開するドラゴンボールレジェンズはグーグルのクラウドを活用し、世界中に散らばるプレーヤー同士のリアルタイム対戦を可能にした。
しかしプレーヤー同士の距離が離れると通信時間がかかり、相手に届かないうちに次の攻撃をすると順序が混乱してしまう。そこで大陸間などの遠隔地ではインターネットを使わず、グーグルが敷設した海底ケーブルの専用ネットワークを使う。
この速さはグーグルの強みになっている。又グローバルに展開するゲームはアクセス数も尋常ではない。通常はユーザが急増しても耐えられるように、大き目のデータベースを用意するが、アクセスが減った時は無駄になる。
そこでグーグルはアクセス量に合わせて自動的に伸縮するデータベースを用意した。
もはや使って当たり前となりつつあるクラウド、サーバ管理の苦労から解放されると費用は大きく減る事になる。クラウドは企業の競争力を左右する重要な要素となりつつある。
働き方改革-企業システム-12
日本の企業ではあらゆる職種、あらゆる条件で上手く働く者の評価が高くなり、特定の職種でずば抜けていてもあまり評価されず、むしろ平等精神に反するため、途中で他の職種に転勤させられるケースも多い。
その結果会社に対する忠誠心は芽生えるが、仕事に対する強い責任感が薄れ、上司が遅くまで勤務していると、特に仕事が無くても付き合い残業をする。それをしないと上司からの評価は低くなる。
作業は職場の流れに逆らわない様に周りから目立たぬことを第1に注意しながら作業する。そんな状況で作業効率が上がるはずが無いと思われる。事務作業では、時間つぶしのために残業をするとなると、単純な仕事を複雑化したり、美的に飾ったりしてしまう。
次いで小泉政権頃から正規社員に対して、柔軟に雇用出来る非正規社員(パート、アルバイト)の採用が増えた。雇う側から見ると大変都合良い仕組みであるが、雇われる方はいつでも辞められる代わりに、いつでも解雇される恐れがある。
働く意欲のあるパートはいくら熱心にしても、正規社員より安い給料で、しかも正規社員がやりたくない仕事をさせられる確率が高い。従って今のままでパート社員に勤務効率をあげさせるのは無理があります。
日本では組織のルールが優先され、それに違反すると村八分に会い、組織から弾き出されるのが普通ですので、日本の組織体で勤務効率をアップするには、組織体のトップが率先して、現状打破を行うしかありません。
そうでなければ、現在の経営層が無くなり、新しいトップを待つしかありません。
期待がかかるのは新規に立ち上げた企業ですが、新しい組織体なら、勤務者が働いて効率を上げやすいルール:時間や場所や年齢に束縛されず効率を追求しそれ相当の給与が払える新しいルールを作り、実行する企業がふえれば、世界に追いつくのではないかと考えます。
日本のキャッシュレス-46
キャッシュレスの波はやっと日本にもやって来たようだ。世界のキャッシュレスシステムは今急速に進んでおり、nhkの調べでは2016年にキャッシュレスの比率は韓国:96%,英国:69%,中国:60%,米国:46%に対して日本:20% である。
日本政府はやっとキャッシュレスへのスタートを宣言した。それは
①このまま現金システムを続けると、お札の印刷や銀貨の鋳造に年間650億円、全国にATM設置に4120億円、店頭の人件費に5000億円、現金の盗難に900億円、そしてその他を加えて全体で、年間1.6兆円かかる事、
②企業や店舗側は意外にメリットがある。設備に費用がかからない事、そしてレジ締めの手間、つまり毎日レジを締めてから、実際の売上金額と突き合わせをするが、1円でも合わないと全部の検査をする、これが通常1時間かかるそうだが、キャッシュレスではお客が支払った瞬間に本社へ送信されるので、この作業は不要になる。
そして最後のメリットは売上情報が得られる事である。お客様がいつ、何処で、何を、いくら買ったか、それはリピーターが新規が等のデータが得られる。
日本政府は政府側の問題と、企業側の要望に応える様に、2025年にはキャッシュレス比率を40%に、将来は80%にする目標を設定した。
日本は現金が便利なので、計画通り進むかは分からないが、現在も外国人旅行者が増えており、現金を持たずに来る人も多いそうで、スーパー等キャッシュレスシステムを整備する店が増えている。通帳レスー仮想通貨ー45
日本企業とクラウド-13
日本企業の中でも海外に空調機を販売している「ダイキン」は2020年を目指して世界の100万台の業務用空調機をクラウドにつなげる計画を立てている。世界中の空調機データをAWSによる「ダイキン、グローバル、プラットフォーム」に吸い上げ、サービスを開発する。
三菱ふそうトラック、バスは2020年までに自社製トラック10万台をネットにつなぎ、トラック輸送の方法を変えていく方針だ。運転中のトラックの位置や燃料の消費情報を把握できるほか、急ブレーキなどの状況から運転の安全性を評価したりする事ができる。このサービスはマイクロソフトのアジュールが提供するAIやIOT の機能を駆使している。想像以上に短期間で実現できたという。
2016年最大手の三菱東京UFJ銀行がAWS の採用を決めた。企画部は新規開発のシステムはまずクラウドで検討すると考えている。銀行業界では巨大なシステムを自前で構築する事が競争力につながると考えていましたが、投資のかなりの部分がサーバ構築やメンテに使われて、新しいサービスが出来なかったが、クラウドであれば、手間が省ける。
銀行内のデータを集計し、分析する基礎の作成やAI モデルの開発を検討中だ。クラウド各社もデータセンターは東京以外に大阪にも開設し、災害などに備えるバックアップが可能になり、金融のクラウド導入が加速した。
今後はシステムの中核の「勘定系」だが、この業務は未だ自社のメインフレームで行なっているので、今後のクラウドの成熟度を待つとしている。
米国三強とクラウド-12
2006年にクラウドを事業化したアマゾンは今世界25地域にデータセンターを持ちそれらを海底ケーブルで結んだ巨大ネットワークを持つ。そこに集まるデータベース、分析ツール、人工知能やIOT システムなど140以上のサービスを提供する。現在世界の51.9%を占めている。
このアマゾンを追いかけるのは米マイクロソフトとグーグルだ。マイクロソフトはウインドウズやオフィス等のビジネスから法人顧客用のクラウドサービス「アジュール」を拡大、2017年には前年の2倍で現在13.3%のシェアを占めている。
小売業者はアマゾンのネット販売と競合にある為、アマゾンのクラウドを避けている。小売最大手のウォルマートはマイクロソフトのアジールを、小売業界の8位のターゲットはグーグル、クラウド、プラットフォーム(シェア3.3%)を採用した。
今後10年間はアマゾン、マイクロソフト、グーグルが激しく争うだろうと予測される。亦賀忠明アナリストは日本の経営者の多くがクラウドのインパクトを分かっていないと言う。
大部分の日本企業は自社でデータセンターを持ち、サーバやソフトの更新などに追われて、新しいサービスを始める余裕がない。クラウドはあらゆるハードやソフトのメンテはやってくれるので、サービスを開発する事に専念できる。
アマゾンのレジなし無人店舗はQRコードをかざすとネットに繋がり、顔を認識して、アマゾンのIDと紐付けしてくれる。商品を持って店外に出ると自動的に計算される。これらのシステムはアマゾンのAWSで整備していると言う。
現在ではアマゾンが断然ユーザ数が多いだけにAWS がリードしているが、マイクロソフトやグーグルも徐々にシェアを広げているので、今後は各社のクラウドを組み合わせて使う企業も出てくるだろうと予測する。
統合部隊の創設-サイバー攻撃-20
日本政府は報道によると、今後のサイバー攻撃に備え、陸海空の3自衛隊を統合部隊を作成して、司令塔を一元化する意向を固めた。
脅威となるのが電磁波を使った電子線やサイバー攻撃はいつ仕掛けられるか目に見えない。攻撃の兆候を即座に判別するには、3自衛隊が収集した情報を、集約、分析するため、その役割を統合部隊に一元化する事が効率的といわれる。
さらに複合攻撃もありうる。ロシアはクリミア併合時、軍隊を展開すると共に電子戦やサイバー攻撃をしたとされる。中国も電子戦とサイバー攻撃を強化し、衛星破壊も視野に入っている。
米国は連邦政府のネットワークやサイバー防衛について、国土安全保障のサイバーセキュリティ通信室が、取り組んでいる。
2017年には①サイバー攻撃を指定し、迅速に対応する能力の改善、②米国政府の財産、重要インフラ、情報を守るためのサイバー手段及び専門知識の向上、③必要に応じて敵に対しサイバー作戦の実施する為の戦略方針、を定めた。
英国は2015年今後5年間で19ポンドをサイバー防衛能力向上の為投資する事を明らかにした。
オーストラリアは2013年サイバー政策が安全保障上の最優先課題の一つとした。2020年「サイバーセキュリティ戦略」を発表し国民の安全の確保、民間企業の参画、脅威情報についての情報共有を規定した。
平成6年に3自衛隊の隊員で構成するサイバー防衛隊を統合部隊として新設、情報通信ネットワークの監視とサイバー攻撃への対処を行っていた。今回はこの組織を現状の110人から格上げして、千人規模に拡充するなど改変する。
電子戦では空自は電子戦装備の航空機があり、陸自も電磁波作戦部隊を新設する方針、3自衛隊を如何に統合部隊を傘下に整理するかが課題となつている。
ホモ•遺伝子と寿命-12
長く生きた生物は傷だらけのDNA になっている場合があり、傷ある生殖細胞を使って子孫を作ると、傷がたまっていき、最終的には絶滅する可能性が高くなります。
これを防ぐのは、ある程度で古い個体が死ぬ事で回避しているとおもわれます。数十年生きるには問題はありませんが、数百年になると、問題が起きます。
長寿への手がかりとして最近2つの研究がありました。一つは細胞分裂の回数と関係しているテロメアです。テロメアの長さで、寿命が決まるのではないかと考えましたが、残念ながらマウスのテロメアが人のテロメアより長い事が分かってきました。
もう一つは飢餓状態になると働くと言われる「長寿遺伝子(サーチュイン)」です。食事を少なくとった猿が普通にとった猿より若く元気になるのは長寿遺伝子が働くからと言われています。まだまだ不明な事が多いですが、研究の成果によっては寿命が延びる時代が来るかもしれません。
インド哲学-世界の考え-2
哲学は紀元前6-5世紀にギリシャで始まったとされるが、この頃インドや中国でも起こっている。そこでは「神話的思考」から「哲学的思考」への移行がある。
神話とは神々の行いや世界のはじまり、人間の誕生について語るものであり、世界の出来事を神の行いと結び付けて説明するのが神話的思考になる。インドでは「ウエーダー」や「プラーフマナ」に見られる。
これに対して哲学的思考は世界の背後に普遍的な原理があると考え、抽象的な概念と論理的な言葉によつて、世界を説明しようとするものである。
インドではそのような哲学的思考はいつ頃始まったか、インド最古の文献である「リグ、ウエーダー」は紀元前1200年頃に完成したと言われている。
全10巻からなり、千余の詩篇の集大成である。その大部分は神々に捧げるものですが、その最後に位置する「ウパニシャッド」文献では、宇宙の原理や人間の本質への探求が見られ、インドにおける哲学的思考のはじまりと考えられる。時代は前6世紀と言われ、仏教やジャイナ教がおこり、古代インドが新しくかわる直前であつた。
ウパニシャッドの「チャーンドーギャ、ウパニシャッド」ではウエーダーを12年間学び、意気揚々と父親のもとに帰って来た息子に対し、ウッダーラカが言ったのが「おまえはそれである」という有名な言葉がある。
これはおまえはこの世の絶対者と同一であるという意味で、そこに神話から哲学的思考への移行を示すもので、インドにおける哲学のはじまりといわれる。
これは梵我一如(ぼんがいちにょ)と言い梵(プラフマン:宇宙を支配する原理)と我(アートマン:個人を支配する原理)が同一である事を知る事により、永遠の幸せに到達しようとする思想で、ウエーダーの究極の悟りとされる。
現代の数学者は世界の全てを表す事が出来る数式を見つけるために格闘してきた。2500年前の古代のインドでは物理学は無かったが、世界の現象を一言で表す言葉を手に入れたいと考えた者がいたに違いない。
世界のさまざまな現象を神の仕業ととらえるのではなく、世界を動かす原理がある、普遍的な法則によって説明しようとする人が現れた時哲学が始まると考える。
東洋哲学-世界の考え-1
「ハーバードの人生が変わる東洋哲学」の本で「悩めるエリートを熱狂させた超人気講義」の副題があり「京大で一番読まれた本」とある。題名に惹かれてさっと一読してみました。特に特徴的なのは「孔子」と「老子」の項でしょう。孔子のところでは、西洋人が常に高遠な人類の哲学を展開するのに比較して、孔子は身近なコミュニケーションの仕方を細かく論じている。
妻との場面場面での接し方、友人、職場の交流し、礼儀や仁に高める事が人生で大切であることを述べている。この辺りはキリスト的な神が作った世界に生きると言う概念がある西洋人では、大変意外性がある事が納得する。
老子は道を説いた。道とは言葉ができる前に存在した状態で、言葉で説明出来ない、分化していない原始の状態である。天地が生まれる前から存在した混沌とした状態を言う。
あらゆるものが道から生じあらゆるものが道に返っていく。日本ではいろんなものを訓練し、深く探求する時は道という。花道、柔道等なんでも道とつけた途端に奥深く人生への探求を意味する。
その点作者の老子の哲学を解釈するところでは、アメリカに新しい概念を導入したリンカーン、ローズベルト、レーガン大統領を話題にしているが、余りに解釈が違いすぎて、びっくりする。概念の質が違うので、我々東洋人を納得させる展開にはなっていないのが残念である。
西洋では神が先にあるため、純粋に神の無い哲学を扱う事は難しいのでは無いだろうか。
もともと中国に神は存在していない。最初から神の存在を前提に考えてしまう西洋とは違う事の認識が必要である。
では中国には何があるのだろうか、中国には神の代わりに宇宙がある。全てが宇宙の法則で動いていると考える。つまり意外に現代的である。
サイバーセキュリティ-19
ユーチューブやフェイスブック、ツイッター等のソーシアルメデイアが生まれて、個人が世界とコミュニケーションが取れるようになり、組織が対応出来ない内に、メデイアの洪水がやって来る。
これまで政府、大学、銀行、企業は知識が局地的で秘密が保たれ、個人は見えなかったが、組織が白日の下に晒されて、透明性に対応出来ない組織は絶滅するしかない環境になつてしまつた。
組織と外部との間を防御する方法では保護膜が必要な時代になったにもかかわらず、それが無いのが現状である。
今やうわさ話や個人の見解が数時間で世界に広がる時代となり、マーケツト部門は分かりやすく、誠実に会話に参加する必要に迫られてきた。
米国の選挙の例では、これまで一部を抽出したデータを基にして、予測していた報道機関が当たらなかった、ジャーリストのシルバーが全データに基づいて作った予測の方が恐ろしく正確だった事が明らかになつている。
企業でも製品やサービスについて、ネット上に乗る口コミ評価の影響が増し、ブランドマーケット戦略は力を失ってきた。新たな透明性を求める為素早く、オープンで責任感ある対応が必要になっている。
透明化では「日光が最適の消毒薬だ」との声もある一方で「日光は危険でもある」の声がある。
組織が競争する場合、軍が戦争をする場合や大学が学生に入試試験をする場合や更に株取引でもインサイダー取引を防止する為、公式発表まで秘密にする等、秘密が必要な場合があるが、それが難しくなつている。
スノーデンによるNSA(米国国家安全保障局)の活動を暴露があったように、たった一人の告発者が巨大組織を揺るがす時代となつている。
サイバーセキュリティ-18
サイバー攻撃が益々激化しつつある今日、せっかく世界が便利になったのに、サイバー空間が危険で使えなくなるのではないかと心配になります。これはインターネットが浸透したお陰で、世界中の情報が白日の下に晒されつつある。これは大変便利だが、使い方によっては大変危険な状況であり、サイバー攻撃を受ける可能性が増えつつあります。
話は5億年前の「カンブリア爆発」から始まります。
当時水中に生活していた生物は触覚や濃度や圧力で感じていましたが、この頃海の浅い部分と大気が化学組成が急に変わり、透明になった。
当時は全ての生物が海中に住んでいたが、海中が日光で溢れるようになると、視覚が、最善の武器になつていった。
そして目が急速に発達し、離れた場所から獲物を追跡する事が出来た。
この概要は日経サイエンスに掲載された、英国オックスフォード大学のパーカー氏が提唱している。また獲物の方も逃避行動を起こし、この競争の中で知覚と行動が爆発的に進化した。これをカンブリア爆発と言う。
これと同じ事がデジタル技術の広がりの現象に見られるという。インターネットは組織と個人の力を強めると同時に、他の組織と個人の力をくじき、好機とリスクが生まれた。
以前より遠くまでそして早く、安く簡単に見る事が出来るようになった。これは「情報の透明化が進んだ」結果だと思われる。G
GAFA-日本法人-7
GAFAは日本に拠点を置く日本法人があリマスター版。最も早かったのはアップル、1983年アップルコンピュータジャパンとして、設立され従業員は2016年8月で2900人で、直営店アップルストアが9つあります。現在はアップルジャパンの代表はシンガポール法人となつています。
次に古いのは1998年設立のアマゾンジャパン合同会社です。トップのチャン氏は香港生まれだが、従業員は6000人と多い。アマゾンの日本での売上高は2017年1.3兆あり、年10%で成長しています。
グーグルは初の海外拠点として2001年日本法人を設立しました。グーグル日本法人は2010年から六本木ヒルズにあり1300人いるが、2019年には渋谷へ移転して、14から35階まで借り切り、社員を倍に増やしつつあります。
日本では長年ヤフージャパンと競り合っていたが、検索エンジンのシェアーでは完全に制した感があります。2018年での検索エンジンはグーグルは78%, ヤフーは22%,マイクロソフトは2%となつています。
またヤフーは2010年から、ヤフーは現在グーグルの検索エンジンに外注しているので、実質のグーグルのシェアーは97%に達しています。
KDDI 下のビックローブやNTT系のGOO も自前の検索エンジンを使っていたが、現在は実質グーグルのデータベースを使っています。但し2010 年頃から日本法人はアジア太平洋の一部となつている。
2009 年にフェイスブックジャパンが設立された、現在まで日本人の取締役が居ない米国主導の色が出ている。
GAFAにはその他にも会社が存在します。グーグルにはクラウド、ケーブル施設、ハードウエアーや不動産の取得、ドメイン名の取得等5社。
アマゾンはクラウドやデータセンター、ギフトカードの販売、融資関連で4社等サービス拡大に伴い生まれ日本で猛スピードで膨張しています。
GAFA-アマゾン-6
ネット会社のイメージが強いアマゾンだが、利益の大半はクラウド事業(AWS)から得ています。2017年のクラウド事業の営業利益は43億ドル、他部門の赤字を補い、全体の営業利益は41億ドルとなった。
AWS の世界シェアは51.9%となつている。世界19ケ所のデータセンターを海底ケーブルで繋いだ巨大ネットワーク上にデータ保存、データベース、データ分析、AIなど140以上のサービスを法人に展開しています。
AWSの機能のうち95%は顧客の要望を元にして生まれている。日本で採用している会社は
①インタネット関連ーNTT 東日本、NTT ドコモ、KDDI 、メルカリ、クックパット、グノシー、
②製造業ートヨタ自動車、ホンダ、パナソニック、ダイキン工業、ヤンマー、
③金融ー三菱UFJ、ソニー銀行、ジャパネット銀行、
④ローソン、良品計画、ダイソー、東急ハンズ、
⑤インフラー東急電鉄、全日本空輸、大阪ガス、
⑥メデイアー日本経済新聞社、朝日新聞社、フジテレビ、朝日放送、
⓻ゲームー任天堂、DeNA、バンダイナムコ等日本の大手企業がずらりと並んでいる。
12 月に米国で開かれた開発者会議ではアマゾンお得意の「おすすめ商品」をAIを使って提案する方法だ。これだとあらゆる企業が独自の「おすすめ」AI の作成が可能になる。
今後センサーやカメラでIOT が広がればAIを分析するインフラとしてのクラウドはますます必要となるだろう。
ダイキン工業は世界に設置された空調機器からデータを、 AWSに吸い上げ、最適なビル管理を提案するサービスを始めた。
パナソニックは小型カメラを小売店に置き、AWSを使って来客の購買動向を把握する仕組みの提供をはじめた。
現在クラウド市場では後ろからマイクロソフトやグーグルが続き激しく戦っている状況であります。
GAFA-アマゾン-5
最近はネット販売が忙しい、ここで存在感を発揮するのがアマゾンだ、書籍のネットから始まったアマゾンの商売は今や凡ゆる物品をネットで扱うようになつた。2017年12月の売上高は前期比3割増の1778億ドル(20兆円)に達した。
ベゾス氏が自宅のガレージで始めたネット書店が原点だ。特徴は従業員員の増え方だ。2018年7月で全世界の従業員は61万人、2016年から2年間で二倍になっている。
GSFAの中でもアマゾンは最も雇用創出力が大きい。アマゾン成長の理由はベゾス氏が明確な企業プランを作り、それを投資家に伝え、先行投資に徹し続けた事と言われる。
売上高は2007年以来順調にふえているが、純利益はかなり上下して、赤字の年もある。投資でも「アマゾンオークション」は半年で撤退した。しかし中古品出品サービス「マーケットプレイス」は利用が広がつている。
世界に200ほどの物流拠点を持ち、各地点の需要に見合う拠点作りを続けている。同時に庫内作業の効率化に取り組み、「アマゾンロボティックス」は可動式の商品棚が担当者まで移動する。
「アマゾンフレッシュ」では生鮮食品の品質チェックAIを活用し、食品の品質をカメラで格付け能力は人の能力を超えるといわれている。商品の保管、注文処理、配達、返品の問い合わせまで全てアマゾンでうけあう仕組みを作っている。
そして「アマゾンプライム」 の会員制は年会費¥3900で当日、翌日配送、日時指定配達が無料、無制限に利用でき、動画や音楽の視聴し放題、写真保存し放題サービスが付く。自社経済圏に囲い込む作戦で、会員は2018年4月で全世界で1億人を超えた。
GAFA-アマゾンー6https://furoujp.com/blog/gafa-amazon-6/
2019年の予測
2019年予測、今年元旦から新聞5紙や週刊誌を総動員して2019年の予測作りをしました。主には
1-日本今年はー果たして立ち直れるか、
2.平成の日本ー30年は敗北の連続?、
3.時代の動きー人工知能が広がってきた、
4.世界の流れー米国と中国に挟まれて、
5.人間の行く道ー資本主義、人生の行くえ、
です、
詳細にご興味のある方は
①メールアドレス、
②氏名
③2019年予測
と記入して下記のアドレスにメールをして下さい。
メール:
uedayamato1@gmail.com
GAFA-フェースブック-4
GAFA-フェースブック-4
2014年2月に米国ハーバード大学の一室で女子大生の写真を閲覧して美人投票をしたのがきっかけで生まれたと言うフェイスブックは歴史が浅く、CEOのマーク、ザッカーバーグは34歳と若い、しかし成長率は凄まじく2018年7月で利用者は22億人となっている。
フェースブックの関連会社を含めると26億人に登ると言う。中国とインドを加えた人数が月1回アクセスする程の数量である。
2017年度の売上高は47%増の407億ドル、純利益は56%増の159億ドルでこの成長率はGAFAの中でも際立っている。業績の要は広告収入で、98%を占めている。
サービスが実名登録を原則にしているため、年齢、性別、学歴、職歴など利用者の詳細なデータが集まっている。グーグルやヤフーもここまでのデータは持っていない宝の山と言われる。
またどんな投稿に対していいねを押したのか、その行動から趣味、関心を分析している。従って広告のターゲティング精度は通常の1.5倍と言われている。
掲載できる種類も豊富だ、 「動画広告」や広告をタップすると商品が見つけやすくなる「コレクション広告」、一つの広告で最大10個の画像や動画をスワイプでみせられる「カルーセル広告」がある。これは1/3の単価で潜在顧客を誘導できたと、広告主の評判が良い、
またグループのインスタグラムは広告主からの関心が高い、通常の投稿とは別枠の24時間以内に消える全画面表示の投稿枠は簡単に投稿できる、縦型で全面画面表示されるので、利用者と連絡が取りやすいと、欠かせないなくなつている。
また1つの広告をニュースフィールドとストーリーズ広告と連携して掲載出来るようになつた。広告代理店はこの先も何かやってくれそうな期待感があるという。
しかし広告の充実は、利用者らの利便性を損なう恐れもある。収入を殆ど広告だけに頼る一本足経営から脱却する必要性はFB自身が1番感じている。
ザッカーバーグ氏が過去に利用者の個人情報を外部企業に売る企業モデルを検討した形跡があると言われている。ボストスマホを見据えて買収したVR(仮想現実)端末の「オキュラス」があるが未だ収益を支えるには至っていない。
若き経営者ザッカーバーグはフェイスブックの59.9%こ株を持った独裁企業で最近相次ぐ幹部の離脱も起きているだけに、批判を乗り切って安定した企業になるか今後見守る必要がある。
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