日本の武道は長く続ける事に重きを置いています。若い時スポーツをしていて今も続けている人はうつ状態になりにくいと言います。
スポーツは身体を動かす事もありますが、勝負の世界で気持ちをピンと張る事が、緊張感によつて心の雑草が取り除かれると言われます。
又筋肉をアップする事により男性ホルモンのテストステロンが分泌されます。そして勝負に勝つ事によりアドレナリンなどの脳内ホルモンが分泌されます。
スポーツによつて脳に刺激を加えることで、機能低下を防ぎます。但しスポーツは年齢が高くなるとハードルがたかくなり、若い人と一緒に試合するのは難しい。同じチーム内では隅に追いやられてしまう。
その点日本の武道は高齢になっても続けることができる。柔道でも剣道でも年寄りだからと言って軽んじられる事はありません。段位がうえの人はある程度年齢も上の人です。
認定システムがある。剣道では初段は13歳以上、2段は初段受有後1年以上修行を続けていること、3段は2段を受けた後3年以上修行すること。6段から7段は6年以上、7段から8段は10年の修行がいり、初段からでは最低で31年もかかる。
武道は競技の実力だけで段位が上がるわけではありません。長く続けた人、年齢を重ね、精神的にも円熟した人を尊敬し、評価すると言う基本姿勢が武道にはあるのです。
武道を若い頃から続けている人は心の庭におおきな桜の木が立っているようなもので、自然と雑草が生えてこない精神環境を備えていることになる。
「生物について」カテゴリーアーカイブ
人生50年X2,男性の運命ー58
定年後は毎日が日曜日の生活に、目的を見つけられなく、3ヶ月程経つと、体調不良に襲われる男性が多いと聞きます。
50歳までの人生にあまりに真剣に、全人生の熱意を全て注ぎ込んだ結果、精神的にも肉体的にも燃え尽きてしまった人も多いそうだ。
人間を考えると、子供を育て上げ、遺伝子を引き継ぐ役割が終わり、これまではここで人生を終えていました。
体力、生殖能力などから、50歳あたりが、生物としての寿命だといわれている。生物年齢と人生年齢が一致していましたが、人間は生活環境や医療の工夫を重ねた結果いまやもう一周残っている。
50歳までの人生は会社や家族の為、つまり社会が作ったルールに従って生きる事、つまり他者の為に生きてきた人生だが、2周目からは本当の自分を取り戻す時間だと、斎藤孝氏は言っている。
人生を一周する事による経験を生かして、新しい人生に足を踏み入れるのは、上手くいけば楽しく、刺激的であるはずである。人生を更に広く深く再発見する事が出来る。
人は家庭を持ち、家庭を大切にしながら、生きていますが、心の中にも庭を持っている。人は知らず知らず心の中にも庭を持つと言う。
2周目に入って、何もせずに過ごしてしまうと、希望も感動もなくなり、心の庭に雑草が生え、それが初期のうつを引き起こす。うつの雑草は早く刈り取らないと、すぐ広まります。
人生は回る独楽と同じで何かに熱中して回っていないと、倒れてしまいます。新しい事、楽しい事、熱中している事があればうつの雑草は生えません。
人生50年X2、男性の運命ー58
人生50X2-男性の壁ー57
珍問•疑問ー3
高齢になると誰もが悩み始める記憶力の低下。子供の頃はスポンジが水を吸い込む様になんでも記憶できたのにと嘆く人も多いだろう。
しかし記憶力について一つ不思議なことがある。子供の頃は記憶力バツグンなのに、なぜ生まれてから数年間の記憶が無いのだろうか?
人間の記憶は、まず脳の大脳辺縁系にある海馬にファイルされ、整理整頓されたのち、大脳皮質の連合野に長期保存される。
つまり新しい記憶は海馬にファイルされ、古い記憶は連合野にファイルされ蓄積していく。
長期保存が可能な大脳皮質は、働きの異なる領域に分かれている。
たとえば目にしたものの形についての記憶は側頭連合野に、家の中のどこに何があるかと言った記憶は前頭連合野ときうふうに、それぞれの内容に関係する機能を持つ領域に保存されていく。
こうして記憶されると、後になってもその記憶を引き出すことができる。
ところが赤ちゃんの脳は場所によって発達時間が異なり、生後の早い段階でほぼ完成する領域もあれば、なかなか発達しない領域もある。
記憶、認識、判断に関わる連合野が遅いため、生後間もない頃の記憶は長期保存されていないから、幼い頃の記憶は残っていないのだそうだ。
珍問•疑問ー2
永遠の命を持つ昆虫はいるのか?2014年3月フランスのマルセイユ大学でシベリアの永久凍土に眠っていた3万年前のウイルスが発見された。
3万年前とは氷河期で陸続きのベーリング海を渡って人類が、アメリカ大陸に渡ったころ。
しかし動物にはもっと長く眠っている例がある。
アフリカのナイジェリアに住む「ネムリユスリカ」がある。これはハエの仲間でこの幼虫は乾季になるとミイラ化してそのまま生き続けることができる。
ネムリユスリカはふだん水たまりなどに棲んでいるが、乾季になると水たまりが干上がる。
するとネムリユスリカの体からも水分が完全に抜けていく。その際体内でグリコーゲンからトレハロースという多糖類が大量に合成される。
水飴で固めたような状態となり、組織や細胞が守られる。雨季になり水に触れると水飴が溶けて、命がよみがえる。
ネムリユスリカはマイナス270度の低温から100度まで耐えられる事が分かっている。
乾燥状態の中に上手く閉じ込められれば、その幼虫はほぼ永久に生き続ける事ができるのではないかと考えられている。
ブログ一覧4(2020/1/1~)
577.易と人生ー8
576.易と人生ー7
575.易と人生ー6
574.易と人生ー5
573.易と人生ー4
572.易と人生ー3
571.易と人生ー2
570.易と人生ー1
569コロナ後ー5
568.コロナ後ー4
567.コロナ後ー3
566.コロナ後ー2
565.コロナ後ー1
564.池上さんが聞くーDNA & RNA-7
563.AIとコロナと入力の自動化ー14(6)
562.100歳時代と過去未来ー70
561.100歳時代と時計ー69
560.100歳時代と時間ー68
559.AIとコロナとドンー14(5)
558.AIとコロナと将棋ー14(4)
557.AIとコロナとサーズー14-3
556.AIとコロナとヘルスマップー14-2
555.AIとコロナー14-1
554.東証システムの故障ー33
553.池上さんが聞くー遺伝子の化粧ー6
552.テレワークのメリット、デメリットー8
551.これからのテレワークー7
550.テレワークーGとTー6
549.テレワークとクラウドー5
548.IphoneSEに変更しましたー64
547.池上さんが聞くータンパク質-5
546.池上さんが聞くーIPS細胞ー4
545.池上さんが聞く遺伝子ー3
544.テレワークとカラオケー5(4)
543.テレワークとカラオケー5(3)
542.テレワークとカラオケー5(2)
541.テレワークとカラオケー5
540.テレワークの準備ー4
539.テレワークのソフトー3
538.テレワーク時代ー2
537.テレワーク時代ー1(20200616)
536.池上さんが聞くーウイルスとはー2
535.池上さんが聞く生命の仕組みー1
534.100歳時代の慧海と心身培養ー67
533.100歳時代の慧海と漢方医書ー66
532.コロナーハラリの世界連携ー13
531.コロナーハラリと情報組織ー12
530.新型コロナーハラリと生体情報-11
529.新型コロナーハラリと監視ー10
528.新型コロナとハラリの世界ー9
527.100歳時代と慧海の薬草ー65
526.AI時代の士業と人間力ー66(8)
525.100歳時代と慧海の長生法ー64
524.100歳時代と川口慧海ー63
523.新型コロナと冬場ー8
522.新型コロナと風邪ー7
521.AI時代の士業の直接的影響―66(7)
520.AI時代の士業の間接的影響-66(6)
519.人生50年X2と雑談力ー62
518.新型コロナウイルスと感染症ー6
517.新型コロナウイルスと病気に勝つー5
516.新型コロナウイルスと免疫力ー4
515.AI時代の士業と具体的失業ー66(5)
514.AI時代の士業と人工知能ー66(4)
513.新型コロナウイルスー3
512.新型コロナウイルスー2
511.新型コロナウイルスー1
510.AI時代の士業とIT-66(3)
509.AI時代の士業の環境ー67(2)
508.AI時代の士業の戦略ー66(1)
507.人生50年X2,頑張り過ぎー61
506.人生50年X2,心の荷物ー60
505.人生50年X2,男性の場合ー59
504.人生50X2ー男性の運命ー58
503.AI-2回目の小学校先生ー65
502.ファーウエイー3
501.珍問、疑問ー3
500.珍問、疑問ー2
499.珍問・疑問ー1
498.大阪の春ー5
497.インテリジェンスー3
496.ファーウエイー2
495.ファーウエイー1
494.インテリジェンスー2
493.インテリジェンスー1
492.大阪の春ー4
491.大阪の春ー3
490.大阪の春ー2
489.大阪の春ー1
488.2020年予測ー3
487.2020年予測ー2
486.2020年予測ー1
ブログ一覧3(2018/8/10~2019/12/31)
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死と人間機械論ー7
パソコンを分解してみて、人間に極めて似ていることに気づいた。それは頭に当たるハードデスクの部分以外は簡単に取り替え可能な機械である。
人間の手足が最近では義足や義手でとって代わるように。人間も将来は脳以外は取り替えられる時代が来るかもしれない。
先日友人がノートパソコンが動かないのでみて欲しいとの、依頼があり確認したが、全く動かなくなっていた。業者に相談したが、回復は無理との判断で新品のパソコンを買う事にしてもらつた。
パソコンは動かなくとも、中身のデータが欲しいのとの要望がでましたので、久しぶりにノートパソコンを分解した。
パソコンのなかには配線や電源や扇風機やメモリーCDROMやキイボードや画面がある。
よく考えてみると、人間と似通っている。配線と血液、電源と心臓、扇風機と肺、指とキーボード、顔と画面などが対応して一つの生命のように動いている。
この中で簡単に他のものと置き換えられないのが脳に当たるハードディスクである。色々な部品があるが、どうしても取り出したいのは小さな場所しかとっていないハードディスクの部分である。
従ってハードディスク以外は純粋に機械であり、取り替え可能である。 そしてハードディスクも別の新しいハードディスクに中身をコピーすると同じ機械が生まれ変わる。
これは人間でも同様に考えられる。手足や内臓を取り替えても、脳が残っていれば本人である。これが人間機械論である。
現在手足は義手義足に取り替え可能で臓器はまもなく取り替えが出来る様になるだろう。コンピュータでは元のハードディスクを取り出して、同種の新しいハードディスクに全コピーが可能である。
人間の脳を全コピーする時代は来るだろうか。もし途中で人を全コピーして、2人の人ができたら、そして2人が別の人生を歩んだら、人間機械論は成り立っていくのだろうか、疑問が沢山湧いてきます。
死とはー同一人物とはー6
人間は三か月で全体の細胞が入れ替わり、半年には骨なども取り替えられていると聞く。そうすると肉体的には昨日のあなたと今日のあなたは違う事になる。しかし同じ人であるのは変わらない。
最近の医学では手足も義足で取り替えられ、内蔵も取り替えられる可能性がある。従って脳以外が取り変わっても同じ人物になる。
では脳はどうか、20年前のあなたの脳と今日のあなたの脳は同じではない。そうなると同じ信条や記憶や欲望や目標を持つなら同じ人物と見る。これは「人格の同一性」となる。
身体説は一卵性双生児は全く同じ身体で生まれてくるので、説明しにくい。同じDNAなので、何をもって区別したらいいか分からなくてなる。
身体説を突き詰めると、未来の私は全身をもっていなくてもよい。現在の医療では手や足を取り替えてしまう。従って私の脳を持っているものが私となる。脳がなくなると消滅する事になる。
物理主義者が受け入れる人格説をみてみよう。信念や記憶は一つ残らず同じである必要はない。人は常に記憶を失ったり、信念がぐらついたりしている。
人格は全体としてゆっくり発展していく。
人格説では同一人物であるか否かは、同じ人格をもつていれば、同一とも言えるのだが、少年の時の人格と老人になったときの人格は何をもって同一と考えるかは一筋縄ではいかない。
死とはーケーガン先生ー5
死についてのベストセラーの書がある。アメリカ、コネチカット州イエール大学で23年間死について講義し続けてできたシェリー、ケーガン先生だ。余命数年を宣告された学生が、命をかけて受けた伝説の講義と言われる。
この書を中心に死への考察を続けてみよう。ケーガン先生は宗教家でもなく、科学者でもなく哲学者である。
人間とは何か、単に肉体を動かす機械か、と問われると、そうでないと答えたい。
つまり人間は精巧な肉体を持つ物理的物体なのか、それとも肉体と精神を持つ二元的なものなのか、一元論は科学者が採用している。科学者や医師は人間を物体として考える、西洋医学は特にその傾向が強い。
物理学者にとって人間とは手の込んだ有形物に過ぎない。人間は恋をし、詩を書く、高等数学を解く驚くべき物体である。ありとあらゆる事が出来るにもかかわらず、ただの機械なのだ。
二元論と物理主義のどちらをとるかは重要な選択である。
ケーガン先生は二元論をとる。人間は肉体と精神を持った生き物であると考える。
但しそうは言っても精神、つまり非物質的、霊的な精神の存在を一口で説明するのは大変難しいと感じる。
魂の存在を立証するのは大変難しい。そうすると死んだ後生きるとの考え方は説得し難い。身体が死んだら消滅すると考えざるを得ない。
しかし西洋哲学の立場をとるケーガン先生は存在論に立って死を考えてみる。昨日のあなたの存在と今日のあなたの存在は同一ですか?違いますか?の疑問を投げかける。
残念な死とならない様にー4
残念な死に方と言われないためには「認知症で鼻から胃まで管をつける」あるいは「入った老人ホームが気に入らず、子供の家をたらい回しになり」悔いをのこす、あるいは「家出した子供と最後まで面会を断った」等残念な最後も多い。
こうした事を避けるには「事前指示書」を書いておく。例えば治療方針等ー人工呼吸器や胃瘻の有無等、そしてその考え方を家族と共有しておく事で、穏やかな死を迎える事ができる。
正しい準備の仕方は専門家の意見では
①大切にしている事を書き残す
ー「家族のそばにいる事」「少しでも長く生きる事」「家族が経済的に困らない事」「痛みや苦しみが無い事」そして人生でやっておきたい事例えば「妻とXXへ旅行に行きたい事」等、
②信頼出来る人は誰かを書いておく。
夫や妻、子供、兄弟、親戚、友人等あなたを理解してくれる人をリストアップする。長年会ってない人や友人やお世話になった人の一覧を書いておくとよい。葬儀の仕方や費用等を考慮する。
③主治医に今の病気や病状、今後の治療について聞いておく。
治療によって元気になる可能性とダメになる可能性について話すことにより死を受け入れる一歩となる。
④家族と話し合う事、
最後に大切なのは、自分の死生観を周りの人と共有しておく事。意思表示が出来なくなると、周りの人に委ねる事になる。「家族にまかせる」だけで良い。それにより家族の負担が軽くなる。
死後はどうなるー3
死後はどうなるのか、死後については①あの世がある。②全ては無になる。③あの世は無いが、自然に帰る。④分からない。の大体四つになる。
この問題は仏教でも分からないとしているだけに正解は無いだろう。しかしどう考えるかにより死に方と関係してくる。
あの世があると考える人は2013年の調査では日本人の40%があると考え、無いと考える33%を上回つている。
「死とは霊魂が肉体から離れてあの世に行く事」と考える。又人生を一度切りと考えず、魂は永遠に生き続けると考えると救いとなり、元気をもらう。
話を少し飛躍してみると、魂が永遠と考えた40%の人の魂は永遠になり、そうでない33%の人の魂はそこで終わるかもしれない。そうゆう不可思議さがあの世にはあるかもしれない。
一般に科学者や医学者はあの世を否定し、死ねば宇宙のチリになると考えている様だ。
一方で2007年にヒットした「千の風になって」のようにお墓におるのではなくて、自然に帰り、風になって吹きわたると考える詩的な人もいる。神道ではこれに近いだろう。
仏教に従って分からないと考える場合はどうするのか、それには「自分に執着することをやめる」ことだそうだ。自分より他人を先に考えていけば、死の恐怖を感じる事は少ない。
つまりどの考えを取るにせよ、各々の考えを深めていけば、死への恐怖は和らぐだろう。
武士の本懐は死ー2
死の瞬間どうなるのか、ある人は睡眠と同じ状態ではないかと言う。人は気絶したり、激しい痛みを感じると脳内麻薬のエンドルフィンが分泌され、幸福感を与える。それと同じ状態ではないかと言う。
時々死の一歩手前まで行き、生きて引き返して来た人がお花畑を歩いて、川の向こうに母が手を振っていたが、その後一瞬で引き戻され、目が覚めた等の話は多い。
医師で何度も看取っている先生の観察では、死の瞬間苦しみ、悶絶して亡くなる人は殆どおらないらしい。多くの人は安らかに亡くなるようだ。
宗教学者の島田裕己氏は 戦後は寿命が50歳代だったが現在では人の死生観が変わって来た、人生100歳代になると死への現実感が希薄になり、いざと言う時慌ててしまうと言う。
そう言えば戦国時代から江戸時代までは「武士の本懐死と見たり」等と、人生の目的は立派に死ぬことであるといわれた。
つい最近の戦前でも、お国の為、天皇陛下の為に立派に死ねと教えられた。従って常に死ぬ覚悟をしていた。「人生は死ぬ事と心得たり。」とある。
ちなみに現在「人生の本懐」をグーグルで検索すると、後悔しない人生、人並みの人生、人に嫌われない人生等と出てくる。
今では社会が死をタブー視しており、誰もが死にたくないと言い、医療現場ではいつまでも生きさせる事を志す、」1日でも長生きすることが正しい」と考える。
死とは何かー1
20世紀まで人類はあらゆる工夫の結果、科学技術が発達しました。しかしただ1つ考える事も追求する事も避けて来た事があります。
それは死についてであります。サピエンスを著したハラリは全てをやり尽くした人類は21世紀には最後に残された死について真正面から考えるだろうと予測していますが、最近週刊誌で初めて死を取り上げた。
医師が胸に手を当て心音停止と呼吸音停止を確認し、ペンライトで瞳孔に光を当て、大きさが変わらないーこの時医師は時計に目をやりながら「ご臨終です」と宣言する。
この時あなたは物理的に死んだ事になる。これは週刊誌独特の実に分かり易い死の表現である。
つまり人間は心臓が止まりー血液が流れなくなり、呼吸が止まりー酸素が供給されなくなり、脳が停止するー全身を制御する脳が活動を停止すると死に至るのである。
その日は確実に訪れる。但しそれは何時なのか、その時あなたはどんな気持ちになるのか、そして死後あなたはどうなるのか、死とは一体何なのか、それに対する答えは無い。
死の謎は人を不安と恐怖に陥れる。仏教では生まれ変わる輪廻転生を説く。キリスト教は信じれば天国に行くと説く、
死を恐れるのは①苦しむのではないかと言う死へのプロセスの謎、②死後あの世はあるのか、ないのかの疑問、③残された家族との別れである。
宇宙のDNAとサピエンスー19
宇宙飛行士のスコット、ケリーさんには同じ一卵性の双子の兄がいます。宇宙ステーションに340日滞在し、その間の血液を保存した。
①宇宙へ行く前と後でスイッチは変わっているか、②その変化が兄のDNA に起きていない事の確認、③その結果宇宙で起きた変化だけを絞り込む。
調査の結果、9000以上のスイッチの変化があった。宇宙には強い放射線が降り注ぐ為、DNAに傷がつき、ガンなどのリスクが増える事が分かっている。
それに抵抗するためDNA 損傷の修復するスイッチがオンになり、又無重力では骨がもろくなるので、骨を作る物質を増やすスイッチがオンになっていた。
DNAスイッチを切り替える事により、人は新しい環境にも適応出来る事が分かってきた。
その他彼のDNAは帰還時変化した、その後大半は戻ったが、7%程は恒久的に戻らなかった。影響のあったのは免疫性、骨形成、低酸素症、炭酸ガス血症などである。
また当初テロメアが短くなると予測したが、長くなっていた。しかし残念ながら元に戻ってしまい若返りの期待は失敗に終わった。その原因は分かっていない。
腸内細菌はガラッと変わったが、帰還後は元に戻った、これは食事のせいか重力や放射線のせいかはまだ分かっていない。
認知能力は宇宙では変化が無かった、帰還後頭の回転や精度で僅かな低下が見られたが、それは静かな宇宙から騒がしい地球に戻ったからだと考えられている。
双子のDNAとサピエンスー18
DNAにはその各々にオンとオフのスイッチがあるのではないかと言われ出している。DNAスイッチは 後成遺伝子 ( エピジェネテイクス )という。
私達の細胞は約40兆個ある、これまで60兆といわれていましたが、2013年11 月に37兆個と発表されました。人間は1つの細胞からはじまり、1から2、2から4と分裂し46回分裂して37兆個になるといわれます。
細胞の1つ1つにDNAがある。その内の2%が遺伝子で、遺伝子には肺や心臓、目、耳、血液、脳、胃、肝臓、脾臓、小腸、ガンを抑える機能がある。
大腸を作る、卵子、精子、血管、アルツハイマーを防ぐ、血管を作る、など人間を健康に生かす為の設計図、ノウハウが2%のここに詰まっている。約2万5000個と言われている。
面白い研究がある。一卵性の双子は同じ遺伝子を持つが、2人の運命が大変変わる事がある。その時遺伝子にどんな違いが現れるのだろうか。
1人はガンになり、1人はガンにならない。すべての人はガンを抑えるスイッチを持っている。しかし調べてみると6割がオフになっていた。
何故オフになるか、現在のところ食事や運動が関係する事が分かっている。
運命を変える方法ー記憶力アップはランニングすると効果がある。音楽の才能はたくさんかの音楽を聴くとスイッチがオンになる。
これまでは生まれる時はすべてのスイッチはリセットされると考えられた。
最近の研究では祖父の代に太ると子や孫まで太る体質を受け継ぐのではないか、脂肪を貯める、食欲を増すー2つのスイッチがリセットされずに受け継がれたと言う研究が発表されている。
人生50X2 ー男性の壁ー57
日本人の寿命は縄文時代は15歳代、奈良時代から平安から安土桃山時代で30歳代、江戸、明治時代で40歳代でした。
ところが1960年(昭和35年)-男ー58歳、女ー61歳、2000年(平成12年)ー男ー77歳、女ー84歳、2010年(平成22年)ー男ー79歳、女ー86歳である。
人生50年から100年になったと言われている。これは又50年の寿命を2回生きる事になる。
一方で人生百年と言われるが現在男性は残酷な現実とぶつかっている。
男と寿命に立ちはだかるおおきな壁は定年制度である。日本では100 歳以上は6万6000人に対して男性はだった1割の6000人だといわれている。
今は定年60歳代と言われていますが、内実は50歳代から役職定年等で、役職を解かれ、部下も亡くなり、給与も半分以下になるので、実質充実した人生は50歳までと考えても良いだろう。
50歳半ばで職場環境が変わってしまい、家庭でも子供が独立して結婚したりで変わってしまう。
この時期に人生に諦めを感じてしまう男性が多い。しかも肉体的にも体力が落ちて、頑張りが効かない自分に気づく。
つまり完全に一周目の人生が終わり、2周目の人生を設計し直さなければならないのに、1周目の人生にこだわり、ずるずると過ごしてしまう。
100歳と110歳の壁ー56
日本には百寿者(センテナリアン)は6万人以上だが、超百寿者の110歳以上は146人です。一気に減ってしまうこの事実をどう捉えたらいいか。
限界寿命の115歳まで幸せに生きるにはどうすれば良いか、慶應義塾大学の研究では百寿者は糖尿病にかかる率が低いことが明らかになっている。
75歳以下の糖尿病は15%だが、センテナリアン(100〜104歳)は6%,セミ、スーパーセンテナリアン(105〜109歳)は4%,スーパーセンテナリアン(110歳以上)は3%と減少する。高血圧もほぼ同様です。一方ガンや骨折は増えています。
現在は食べ物が溢れて、栄養失調で亡くなるより、肥満で亡くなる人が増えている。1980年に8億5千万人の肥満者が2013年には21億人と世界人口の約3割にまで増加、そして1990年以降飢餓人口は減っています。
肥満になると内臓脂肪が増え、糖尿病、高血圧が増え、心臓、脳、腎臓の機能がおちる。そして内臓脂肪に炎症が起こり、全身に広がる。スーパーセンテナリアンは血液中の炎症が大変低い事が分かっています。
110歳を考える2ー53
男は19%が60歳代で障害が出始め、70で人の世話になり、その後死ぬまでその状態が続く、つまりこの時点で健康寿命が尽きています。
一方70%は70歳代後半から障害が出始め、平均寿命近くで人の世話になります。
生涯人の世話がいらない人が11%あります。
女性の12%は60歳代半ばで健康寿命が尽きてしまいますが、残りの88%は70歳頃から障害が見えはじめ、徐々に進むが、85歳頃でかなりの障害となり、平均寿命まで生きます。
今後の100歳時代の寿命は100歳まで元気で生き、115さの天寿を全うする人と、アップアップで介護を必要として100歳に辿り着く人と二極化するのでは無いだろうかと言う。
明るい材料もある。歩行速度は年々落ちていく、80歳以上の平均歩行速度は1992年は0.8m/秒でしたが、2002年は1.0m/秒と伸びています。
ちなみに0.3m/秒は、信号が赤から青にかわり、横断歩道を赤に変わらぬ内に渡りきる速度です。
また70〜80歳で2008年にインターネット利用率は28%だつたが、2013年には43%まで伸びている。つまり元気な高齢者が増えているのです。
DNAとサピエンス3ー17
これまで病気を引き起こすDNAばかり探してきたが、発想を転換して、病気を防ぐDNAをもっと探すべきではないかとの機運が増してきた。病気にならない理由を研究すべきと考え出した。
トレジャー(宝物)DNA探し がはじまった。
本来DNAとは細胞の中の1/100ミリの核のなかにある。
コーヒーを飲むと、97%の中からカフェイン分解を指示するDNAが動き出して、遺伝子に働きかけると遺伝子の中からカフェインを分解する働きのするDNAのコピーが出てくる。
このコピーは核の外に出て、物質製造機とぶつかり、製造機はその指示通りカフェイン分解物質を作り出す。
そこへカフェインが来ると飛び込んで分解していく。それが繰り返されて分解物質を大量に作り分解していく。
HIVにかかってもエイズを発症しない人がいる。かかる人とかからない人のDNAはどこが違うか、かからない人のトレジャー(宝)DNA探しが始まった。
DNAは全ての人が同様に持っているが、その各々にスイッチがあって、ガンにかからないDNAがあっても、そのスイッチがオンになっていないと、効かないらしいとわかってきた。
肥満や記憶力や音楽、持久力、寿命など全ての遺伝子にスイッチがあって、コントロール出来る可能性が浮かび上がってきた。
遺伝子には驚くべき精密でしなやかな仕組みがある。
見た目-残酷な真実ー5
アメリカの心理学者が卒業アルバムを集めて、笑顔の度合いを点数化して、後年の結婚生活を予測した。その結果男女共に笑ってなかった人の離婚率は笑っている人の5倍に上った。
又最初の直感ー一瞬で人は判断出来るか、ーハーバード大学では外見から攻撃性を推測する事が出来ると言う。それは顔の幅と長さの比率だ。
顔幅の広いほど、男性ホルモンのテストステロンの数値が高い。高いほど競争を好み、野心的、冒険的で攻撃的な性格になる。もちろん平均的な男性のことだ。
テストステロンの濃度は遺伝的な違いもあるが、胎児の時の子宮内の環境から影響を受ける。女性は人差し指と薬指の長さは同じだが、男は薬指が長い事が多い。
子宮内では脳だけでなく、全身で男性と女性の違いができる。テストステロンが強いほど、男性の顔の幅が広くなり、攻撃的な性格が強くなる。
ハーデンステインさんは幅広の男性について、次の研究データを紹介してある。顔のはばひろの男性は①ライバルを蹴落とす為3倍嘘をつく、
②賞金を山分けする時公平に分配する事を嫌った。
③アメリカで発見された殺害された人の頭蓋骨を調べると、絞殺、刺殺、撲殺などで殺されたケースはほっそりした顔の男性が圧倒的に多かった。
アメリカでは様々な顔立ちのひとがいるが、横に広い鼻、厚い唇、黒い肌はアフリカ起源の顔と呼ぶ。
裁判では人種の違いによって、刑を変えないと言う意味では平等になつた。
所がアフリカ的でない被告の24%が死刑判決を受けているのに対して、アフリカ的顔の被告の58%が死刑判決が下されていた。
裁判官は容貌から内面を推し量る錯覚に囚われ、顔立ちが暴力的だと直感した被告に重い刑を科していた。
110歳を考える-52
日本は長寿国と言われています。100歳以上が6万5000人いるそうです。しかもどんどん増えているようです。一方110歳以上の人は僅か146人しかいません。
この壁を追求されたのが、慶応義塾大学医学部の伊藤裕先生です。
日本人の平均寿命は環境の整備や保険制度などにより、順調に伸び、現在女性は87歳で世界2位、男性は81歳で世界3位です。
最近衝撃的な報告がされました。人間の寿命の限界が115歳ぐらいかもしれないという。
2016 年に発表された最長記録は女性でフランス人122歳、アメリカ人119歳、日本人117歳、
男性は日本人116歳、アメリカ人115歳、プエルトリコ人115歳で人間としての寿命は115歳あたりで、120歳前後が限界と思われる。
「平均寿命」とは命が尽きるまで、「健康寿命」とは五体満足で自立している、つまり頭、首、胸、手、足の5つが問題なく動くことです。「限界寿命」とは人間が最長に生きる限界、つまり115歳あたりを言う。