易では中国の古典の四書五経の1つに易学がある。四書は論語、大学、中庸、孟子で五経は易経、詩経、書経、礼紀、春秋があるが、五経は四書より高いという。つまり易経は中国古典の中でも最も高い位置にあるようだ。
高名で深い知識を持つ碩学の安岡正篤先生の易についての説明では、そもそも中国は紀元前から中原と言う中国の真ん中を競い合い、種々の王朝が争った。
中国の漢民族は黄河と揚子江の間を中原と言い殷時代は狩猟民族だつたが、漢民族になって定着し農耕民族となった。
そこで1番の問題は東夷(とうい)、西戎(せいじゅう)、南蛮(なんばん)、北狄(ほくてき)、つまり東から北西にかけての北方民族、満種族、トルコ族、遼族、金族、蒙古族、チベット族の様な夷狄と戦い、侵略、征服、革命、反乱、退去、没落の歴史を歩んでいる。
この様な中国では毎年国の未来を占うことが王の最大の任務であった。単に占うだけでなく、その後どう変化していくかを予測する事も大切な仕事であった。