運と言うものは非科学的と言う人もいるが、出来るだけ科学的に、アプローチした人がいる。
それは脳科学者の中野信子である。彼女の考えは、運と言うのは客観的には全ての人に平等に降りかかるものだ。しかし運の良い人と運の悪い人がいるのも事実だ。
魚のマンボウは一度に2億7千万個の卵を生み、この内、親になるのは1から2匹と言われている。この一匹が生き残ったのは正に運が良かったとかんがえられる。
もし人間も同じと考えると運に対してただ身をゆだねるだけになる。しかし人間の短い一生と、比較的少ない集団での現象を観察すると、ダーウィンの生物は環境に最も適したものが生き残ると言う、適者生存が当てはまるケースが少なくないと考える。
人間の脳にはやる気を起こさせるドーパミンと過剰な活動を抑えるセロトニンがある。又集中力を高めるノルアドレナリンがある。そして全体を分解、調節するモノアミンがあります。この分解度合いが低い人は幸福を、感じやすいと見られます。
人は運のいい人になりたいと願って自分を変えようと努力しがちですが、自分の脳内を変えるのは至難の技です。
従って自分を変えるのではなく、自分を生かすのが大切です。自分を世間の標準に合わせるのでは無く、自分を生かすのが運の良い人になるための条件です。
あえて困難に立ち向かうのも、運を強化する方法の1つと言えそうです。
アインシュタインは4歳になっても言葉を話さず、小学校の高学年でやっと話せるようになったと言われます。そして高校は中退し、大学受験も失敗しました。企業の創業者も過去に相当な苦労している人が多いようです。
それは人の脳はストレスがかかった時、神経細胞(シナプス)を作る場合が多いようで、逆に安定している時はそれをキープする傾向があり、不安定な時は活発に活動する。
人生は常に判断の連続と言えますが、右へ行くか、左へ行くか迷う時、リスクのある方を選ぶと脳が喜ぶそうです。つまり脳が工夫するのです。少しリスクがある方が上手くいった時の脳の報酬系(ドーパミン)が強く働くようです。
「生物について」カテゴリーアーカイブ
易と人生ー5
1898年生まれのアイルランド出身でアメリカで活躍したジョセフ、マーフィー博士は運と無意識について述べている。
ところで無意識とは20世紀前半ジークムント、フロイトは人間には意識出来る領域と意識出来ない領域があり、幼少期から周囲の道徳的抑圧を、受けると意識出来ない領域にヒステリーなどが形成されるとする、精神分析学を創始した。
またその弟子のカール、バスタブ、ユングはフロイトの無意識は幼児的、個人に限られる。しかし人間の無意識には個人的な無意識以外に、他の人と共通に持つ普遍的無意識が存在するとして、分析心理学を創設した。
無意識は未解明な領域であるが、心理学や脳科学で研究中である。
マーフィー博士は言う、彼の説明によると、人の意思には意識的な意思と無意識的意思がある。普通人は自分の意思によって行動するが、それは本音の場合と本音とは違う場合がある。
その内本音、つまりその人が心の底から思っていることは、無意識の領域に落ちて行く。それは潜在意識と言う。
潜在意識は巨大な宇宙に広がっているものだが、個人の潜在意識はその意思通りに動かす事ができるのだ。
人はなかなか自分の意思を潜在意識に伝えられない為、悩むけれど、上手く伝えられた人は運が良くなると言う。
マーフィー博士 は自分の無意識に何をどんな風に伝えるかを述べている。
無意識は冷静で純粋な世界だから明確に分かりやすく伝える事が大切で、そこに不安感を混ぜると、そのまま不安も伝わるので、注意が必要であると述べている。
コロナの後ー5
識者の予測1)電気会社社長ー大半の仕事は在宅で出来るが、さらにVR(仮想現実)やAR(拡張現実)技術が進めば新規顧客の開拓も進むだろう。
今は視覚と聴覚の情報しか共有できないが、触覚、嗅覚、味覚が共有出来たらさらに臨場感が増すだろう。今後AI とバイオの世界になると、人間中心で人間のコントロール下でテクノロジーを扱う起点にすべきでしよう。
2)アリババAIセンター長ーテクノロジーをヘルスケアーに適応する作業をすすめている。新型に感染した5000人のCTスキャンデータをAIに読ませて肺炎の確立を予測する「CT画像解析」システムを開発した。
また薬やワクチンの開発に重要な「タンパク質立体構造解析」を行いAIに学習させ、新しいタンパク質の型を予測します。
そしてビッグデータを使って感染症流行のシユミレーシヨンをして、さらに年齢や住所や勤め先のデータを加えると、ある業種が休業するとどの程度感染が抑えられるかの予測もしています。
3)建築家ーコロナ後は「自由」がキイになる。「だれもが好きな場所で暮らし、好きな場所で働ける」がテーマとなる。
20世紀は大きな建物を作って、人を集めて効率よくはたらかせる。今回テレワークが進んでいる、テレワークが出来る小さな部屋があればよい。
さらに新型コロナ感染を受けて、ホテルを療養施設に、または病院に利用する機能転用を考えるきっかけが生まれた。
こんごは災害時には公共スペースやショッピングモールが避難所や色々な用途に自由に使うことが求められる。
転用を前提にして建築の設計をする必要がある。コロナは20世紀型の特殊なスタイルから脱皮するチャンスと捉えられます。
コロナ後ー4
識者の予測1)日経編集者ーコロナと災害を比較すると、コロナは複雑な機械や設計をテレワークでするのは自宅には環境が無い為難しい、その点、災害は被害エリアが限られるので、周りから支援が受けられる。
コロナでは自治会が自己解決しなければならない、また災害はずっとは続かないがコロナは終わりが見えない。
コロナでは会社に行かないと処理できない紙ベースのものをいかにIT化するかが課題となっている。DXーデジタルによってビジネスを変えることが大切だ。
普通の店舗からバーチャル店舗へ、物理的な距離からの脱却、モノを売るからコトを売る事をかんがえる。
ジャストタイムが正義で在庫が悪の見方が反転する可能性がある。在庫を持っていたところは生産を止めずに済んだケースがあった。工場を止めない為には災害対策に加えて感染対策まで必要になってくる。
守るべきは「人で清潔」がキーワードとなる。開発、設計ではリアルで密からバーチャルで疎となる環境に移行させる。
2)建設業界では計画、設計、施工、管理の各段階に、プレイアーが明確に分かれていて、強固な壁があるが、効率、人材不足、インフラの老朽化、財政難などで壁が崩れてできた。
壁を崩す武器はテクノロジーでその刺激剤はコロナである。在宅で仕事をするには全ての情報がデジタル化されていなくてはならない。
3)業界間の壁が崩れると他産業が入ってくる。コロナ以前からトヨタとパナソニックが街づくりに向かったり、建機メーカーが施工や設計の分野に入って来ている。
自動車メーカーが3D プリンターでフェースシールドを作ったり、誰でも、どこでも工場が実現できている。
工場の無人化=人の代替で効率化=コスト減から無人化=安全第一=遠隔制御が視野に入ってくる。
4)販売ではAIを使って自分に服を着せた画像を提供したり、バーチャルネットの世界で買い物体験をリアルに提供する。
5)住宅ではタッチレスでドアが空き、音声でエレベーターを操作する、鏡を見た心拍数や体温が分かる、リビングや寝室の一番が簡単に書斎に変えられる。駅前には個室オフィスやオフィス喫茶がもとめられる。
6)過密な東京に地震や噴火が起これば日本全体が危機状態になる。首都の機能を地方に移転する取り組みをIT機能を駆使して進めるべきである。そして地方都市のデジタル化をすすめれば新しい価値か生まれるだろう。
コロナ後ー3
今回のコロナでの現場の声のアンケートでは①緊急事態宣言で社内行事の中止、取引先との面談や出張の中止が起こったが、一番の変化はテレワークや在宅勤務の導入が71%になった。
②勤務先での受注した注文の中断や先送りがあったのは44%にのぼる。
③国内生産での影響では海外からの部品の調達が出来なくなっているが、中でも中国からの直接、間接に調達する部品が出来にくくなったのが70%になる。
④新型コロナが収束した後、生産拠点の変化は複数のルールを採用または見直すが50%を占め、中国の拠点を他国に分散は10%,日本に戻すは7%となつている。
ーーーーーーーーーー
そして感染症対策での注目されている先端技術は
1)AIで画像診断、新型コロナの肺炎の診断に利用、
2)AI受信相談ーアプリにより質問に回答する、
3)ドローンで医薬品輸送、
4)服薬確認システムー患者が電話すると、患者が薬を飲んでいるかをオンラインで確認できる、
5)濃厚接触者の把握ー新型コロナ患者と濃厚接触者にはスマートフォンで連絡する、
6)顔認識で体温検知ー非接触で検出、
7)量子コンピュータの高い演算能力を使って感染経路をシユミレーシヨンしたり、治療薬の発見をする、
8)ビッグデーター携帯電話の利用状況から感染症の流行パターンを予測、
9)3Dプリンターで、医療器具を製造、不足するフェイスシールドなどの医療器具の製造、
10)脳波をセンサーで測定し、リラックス法を提案する。
など今回のウイルスをきつかけに活用された技術は多い。
コロナ後ー2
AIと人間の共存をテーマに追求しているマサチューセッツ工科大学のマックス、テクマーク教授はパンデミックと戦うことは情報戦だと言う。
ウイルスに感染可能性のあるひとを全員リストアップできたなら、彼らを隔離して、ケアすればいいだけです。
そのリストを作るには、接触履歴、移動履歴、体温などのさまざまな個人情報が必要です。
欧米で新型コロナが蔓延したのは、政府に個人情報を把握されると、プライバシーを失うのではないかと恐れて、それらの情報が無かったのです。
しかしAIではビッグデータを集めて、誰が感染するか見極めること、そして個人のプライバシーを守ること、その両方が可能ですので、将来は出来ると思います。又ワクチン開発もAIを使用する事で、もっと迅速に行うことができます。
更にタンパク質の立体構造を研究が進んでいますが、これが進めば新薬の開発が更に短時間になると思われます。
また将棋や碁の名人がAIに負けたと話題になりましたが、注目は「AlphaZero」の開発です。
これまでは膨大な対戦記録をAIに学ばせて強くしましたが、これはゲームのルールを学んだ後は対局データを一切使わず、AI内部で対戦を繰り返すだけで、強くなったことです。
我々がすぐにでも行動しなければならないのは、AIと軍事です。
ドローンに相手の顔と位置情報を与えると、誰にも知られる事なく相手を殺害できます。AIによる自動兵器の開発をすぐにでも中止すべきです。でないと人類は簡単に破滅します。
人類とAIについて、考えると、今後人類を変えるAIが生まれた時、どうするか、3つの立場を考えます。
①そのAIをインターネットに繋がらない状況下に置く、しかし知恵を出してつながるかもしれない。
②AIは我々の行き着いた子孫だと考える。しかしAI も同じ価値観かはわかりません。
③私達と同じ価値観を持ち、人間を大事にするAIを安全工学的に作ってしまうと言う立場です。
1960年代に生物学者達が生物兵器の危険性を訴え、生物兵器開発を国際的に禁止する事に成功しました。AIもこれに倣って早めに戦略や倫理基準を定め、超えてはならない一線を明確にルール化すべきと考えます。
コロナの後ー1
さかのぼれば、紀元前430年にはアテネで疫病が発生。人口の3分の2が死滅したという。腺ペストかエボラウイルスによるものだったと見られている。ギリシャ文明もローマ文明も、疫病によって土台が揺らぎ、崩壊に向かった。
ヨーロッパで猛威を振るったペストは1347年に地中海に停泊した大型帆船から積荷に紛れて上陸したネズミにについたノミによる病原菌からヨーロッパを襲ったペスト(黒死病)はヨーロッパの人口の3分の1が無くなった。
しかしその後文化の変革が起こりルネッサンスとなって中世から近代社会へのへ変わって来た。
皇帝アウレリウス・アントニヌス(121~180)の時、疫病は165年から167年にかけてメソポタミアからローマに到達したとされている。 過去には何度かパンデミックに襲われたが、大きくは3回ある。
①541年からエジプトから地中海、東ローマ帝国は皇帝ユスティニアヌスも疫病に感染し、人口の半分を失った、発生から60年間流行した。
②1331年に中央アジアから中国、地中海に広まった。ネズミとノミにより発熱、黒紫の斑点がでるペストで黒死病とも言われた。中国やモンゴル起源説があるが、河北では人口の9割が死んだとの説もある。
ジンギスカンが中央アジアを征服した為、広まったとの説もある。原因が分からず、魔女やユダヤ人のためとして迫害が起こった。 14世紀には世界的な流行で1億人が死亡したといわれています。
「黒死病」と呼ばれて恐れられました。人口の3分の1が亡くなった欧州では、生や死に対する価値観が揺らぎ、封建社会崩壊の一因になりました。
そして新たな学問や芸術がルネッサンスを生み、教会の権威も失墜してその後の宗教改革につながったといわれています。
③1855年中国を起源としたペストが世界に広まった。雲南省の線ペストだ。ユベルト、コッホに師事した北里柴三郎香港で線ペストの病原菌を共同発見した。そして抗血清による治療法が確立した。
特に1918年のスペイン風邪は最低でも5,000万人以上が亡くなったと推定されているが、14世紀に蔓延したペストは世界全体でそれを遥かに上回る7,500万人から2億人の死者を出している。
当時8,000万人だったヨーロッパ人口のうち、実に60%が命を落とした。 ヨーロッパだけではない。北アフリカ、中東にまで達した。こうして高度に発達した交通網にのって、ペストは瞬く間に全ヨーロッパへと広がっていった。
このペストは人口が激減するだけでなく、ヨーロッパ世界の社会構造の変化を「加速」させることになる。
経済的にも大変革が起きました。中世の西ヨーロッパの農村は領主が支配する共同体で、農民みんなで働いて年貢の残りを分け合って生活していました。
ところが、ペストで労働力が不足したため、領主は農民の意欲を上げるために土地を貸し出します。農民はそれぞれが工夫して成果を上げるようになり、これが資本主義経済につながったのです。
池上さんが聞くーDNAとRNAー7
セントラルドグマ(英: central dogma)とは、遺伝情報は「DNA→(転写)→mRNA→(翻訳)→タンパク質」の順に伝達される、ことをいう。分子生物学の概念である。
フランシス・クリックが1958年に提唱した。この概念は細菌からヒトまで、原核生物・真核生物の両方に共通する基本原理だとされた。
DNAから1度RNAに転写されて、RNAからタンパク質に翻訳される。
◆ではなぜ間にRNAが入るのですか、DNAとRNAが似ているのならどちらかに統一しなかつたのですか?
それは使い分けているからです。DNAが上質の紙としたら、RNAはぼろぼろの紙ですぐ溶けて分解されてしまいます。
必要なタンパク質は刻一刻と変わっており、いつまでもRNA が残っているとタンパク質が必要以上につくられて、細胞に悪影響をあたえてしまいます。その為すぐ分解するRNAを使う方が良いのです。
◆他に違いがありますか?
DNAの構造は二重螺旋ですが、RNAは一本鎖です。又使われる糖と塩基が違います。その為分解しやすいのです。(DNAは糖はデオキシリボース、RNAはリポース、又塩基はATGCに対しAUGCです),
それはDNAは安定しているが、RNAは不安定です。そのおかげで素早く色々な種類のタンパク質を必要に応じて、必要な量を作る事ができます。
「私のスタート:今年から小学生のプログラム教育」を開始しました。https://www.ekiten.jp/shop_11560756/
AIとコロナと入力の自動化ー14(6)
公開した当初感染症を示す赤い丸は320個、そのデータを1人で集めて入力していた。ところが感染は急速に拡大し、データ更新作業が間に合わなくなった。そこで活用したのが、AI (人工知能)だった。情報を集約する作業は自動化しなければなりませんでした。
当初集約されるデータはバラバラでした。アメリカでは回復者の数は郡単位で集計され、死者数の数は州が集めていた。これらを全て確認し、1つにするのは困難です。
そこでAI の出番です。
ドンがAI に学習させたのは国や自治体を正確に選別する事、更に集計したデータが正しいかの確認までAIで行い、精度を高めた。
AI により進化したダッシュボードの反響は想像以上だった。世界中からアクセスが相次ぎ、サーバーがダウンする事もあった。
ドンはAIを使って世界に貢献する手応えを掴んだ。中でも多くの国や発展途上国には感染状態について正しいデータを入手する手立てが無いところもあります。
ドンの故郷中国では感染が爆発的に広がり続けています。市民の間に瞬く間に広がったのが、AI を使ったテクノロジー、国が指導し、先端企業が培ってきた技術を感染防止のために投入した。
国策として2017年に「次世代AI 発展計画」をスタートさせていました。百度(バイドウ)やアリババなど大手企業が中心となりAI に関する情報を共有する動きがはじまつていた。
感染拡大の危機に当たって国や企業間の連携がさらに進みました。駅や公共施設にいち早く登場したのはAI によるAI 体温測定システム、赤外線カメラと顔の識別機能を使い1分間に200人を計測、帽子やマスクをしていても正確に体温を測る事ができる。
メガネ型の検温装置も登場し種々の施設で警備員が着用し、パトロールに活用されている。検温範囲は3M、測定誤差は0.3度以下だ。又市内を消毒できる無人自動車、AI による自動運転の技師を生かした無人タクシーやバスの開発も進んでいる。
100歳時代と時間ー68
最近「時間は存在しない」言う言葉ほど頭に突き刺さり、記憶から離れない言葉はない。
[時間は存在しない]と言う題名の本を出したのはカルロ、ロベェッリと言うイタリア生まれ、フランスの大学で理論物理学を教え、量子重力理論を研究中の人である。
ここでは地球が平らと思って来たが、実際は球だった。太陽が地球の周りを回ると思っていたが、地球が太陽を回っていた。このように当然と思っていた事が突然ひっくり返る事がある。時間もそうであると言う。
100歳時代の到来を夢見て来た我々にとって、時間が無いと言われたら、その夢の立場は根底から崩れるのでは無いだろうか?
作者の説明はこうだ。古代ギリシャの哲学者アリストテレス(紀元前385年生まれ)は、時間とは物が変化していくもので、全てが静止していると、時間は無い事になると言った。
対してイングランド生まれの数学、物理学者のニュートン(1643年生まれ)は時間とは全てから独立して独自に流れると説明した。
ところがドイツ人の物理学者アインシュタイン(1869年生まれ)は世界は4次元で出来ており、通常は縦、横、高さの3次元で生活しているが、実はこれに時間が加わり、時間の広がりの中で暮していると説明して、世界を仰天させた。
著者はアリストテレスの考えとニュートンの考え方を統合したのがアインシュタインの考え方だというが、今一つ分かりづらいので読み進んでみよう。
AIとコロナとドンー14(5)
2月に感染は中国からアジアに広がった。世界ではWHOをはじめとする情報の発表が遅いと言われた。この時1日のアクセスが5倍にもなるホームページが誕生した。
アメリカのジョンズ、ホプキンス大学のダッシュボードだ。
国や自治体や病院から集めたデータをまとめて表示した地図、情報のソースはアメリカ国内だけで3000以上か、国毎の、感染者数、死者をリアルタイムで表示する、ゴールドスタンダードと呼ばれている。これを開発したのは1人の大学院生だつた。
中国からの留学生ジョン、ホプキンス大学のエンシャン、ドンだ。ダッシュボード作成のきっかけは故郷からの一本の電話であった。
元々は春節について家族と話をするための電話でした。すると家族の近くで、新型コロナウイルスの患者が出たと聞きました。驚いて外出しないでと言いました。
電話では感染がどこまで広がっているのか分からないし不安、正確な情報を人々に伝える方法が、ないかと指導教授に、相談し、ダッシュボードの、開発を、勧められた。
ダッシュボードとは自動車や飛行機の操縦に必要な計器類を搭載したボードのことですが、そこから転じて企業活動を示すさまざまなデータを統合して表示する管理画面を「ダッシュボード」とよびます。
教授は僕が中国出身なので今中国で起きていることについて、聞いてきました。その情報を、集め始めた事を、伝えました。そしたらすぐにダッシュボードを、作る話になりました。
ドンが在籍する工学部のチームはハシカやジカ熱の流行を示す地図を、作った事があった。
その技術を生かしてわずか1夜で公開にこぎつけた。徹夜して最初のバージョンを仕上げました。
WHOが同様のダッシュボードを作ったのは5日後でした。だからこのダッシュボードが世界一早かったはずです。
AIとコロナと将棋ー14(4)
AIが急速に発達したのはここ10年ほどである。社会に強烈に印象付けたのは2017年5がの将棋の電王戦だ。
AI が将棋界の最高位の佐藤天彦名人(当時)を破った。この時AI が勝利を手繰り寄せたのが独創的な一手だった。
将棋ソフトPonanzaは3-8金、過去20年間、5万局に及ぶ対戦データから導き出した手が名人を圧倒した。
人間には処理出来ない程の大量のデータを処理し、新しい答を導き出すAI,その能力は人類が直面する難題にも生かせるのではないかと期待された。
気候変動、飢餓、貧困、病気が解決されたらより健康で、幸せな生活が送れると思われる。AI に期待する一方AI の解析には、いくつかの欠点がある。
一つはデータが正しいかどうかに依存している事、学習したデータにより精度が変わります。質も量も十分で正しいデータを学習させないと意味が無い結果を出す事もある。
過去の失敗したケースでは2008年にインフルエンザに関する検索数だけを使った、その結果精度が高まらず2015年に中止された。
検索数だけでは、本当に発生した場合と不安から検索する場合や興味でする場合もあるので、不正確なのです。AI解析の正しさは過去のデータの質に依存する。AIとコロナとサーズー14(3)
AIとコロナとヘルスマップー14(2)
ヘルスマップは世界的ネットワークで世界中のニュー メディアやSNSから常に不可解な情報を抽出しています。
去年12/30にヒットしたのは中国のローカルニュースで武漢の海鮮市場で感染爆発が起きたと言うものでした。
この日は後に自ら感染し死亡した中国武漢の医師李文亮(りょう)がSNSに最初の警告を投稿した日、同じ内容で同じ日に地元の新聞社が[武漢の市場で原因不明の肺炎で7人が危篤状態],それをヘルスマップが拾い上げたのだ。
AIが抽出したMAPはすぐ公開されるので、WHOはじめ世界の保健機関がそのデータを利用している。ただ今回この警告が生かされた形跡は無かった。
この時点では未知のウイルスによるものとは分からなかった。そして感染爆発は起きてしまつた。(2020/1/23)この時毎年発生している感染症が世界でいくつも発生していました。その為AIは肺炎としかの認識は出来ませんでした。
カナダ、トロントではAIベンチャー、ブルートット、彼等もその翌日SNSでの情報から警告を発していた。更にあるデータからAIに学習させ、武漢から他の都市に広がらないかを独自に予測した。予測に使ったのは国際線の航空機のデータだ。
航空機で予測したのは医師のカムランカーンである。45都市に300の直行便が飛んでいた。去年の大晦日には8万人の旅行者が海外へ出発した。
行先はアジア各国、アメリカの主要地にも飛んでいる。予測には0~100の健康安全保障スコア(各国の感染対策の脆弱性)も考慮に入れた。
共に行っているトロント大学の、専門家アイザック、ボゴシユはこれは国毎に感染症に対処する能力があるか、判断基準になる医療体制が整っているか、専門のスタッフがいるか、感染を抑え込めるかを分析、すると主に東アジアと東南アジアの都市が浮かんできた。
最初に予測したのはバンコク、香港、東京、台北、プーケット、ソウル、シンガポール、マカオ、シドニー、ドバイ、クアラランプール、高雄、大阪、メルボルン、チェンマイ、ペナンである。この予想は後に現実のものとなる。
AIとコロナー14-1
ここ数年で急速に発達してきたAI(人工知能)は今や凡ゆる分野に適応を広げつつあります。その進歩は驚異的ではありますが、果たして今世界中で最も緊急なコロナに対して、AIは対応できるのか。
対応しているとすれば、どんな対応をしているのか、今後のAIを考える為にも、又コロナの今後を予測するにも必要な課題と考えます。
「人類が手にした最新テクノロジー人工知能はどこまでコロナに迫れるか」を追求したNHK特集を追いながら、考えてみました。
感染爆発で世界を覆った新型コロナウイルス、感染者3580万人、死者105万人 (2020/8現在) 、今も続いている。
人類はこの危機にどう向き合うのか、武器としたのはAI(人工知能)である。膨大な情報力と学習能力を備え、社会を変える可能性を秘めたテクノロジーだ。
感染爆発はなぜおきたのか、いつまで続き、いつおさまるのか。AIを使って感染爆発に挑む最前線の研究者を取材、何が分かり、何ができたのかを追った。
未知のウイルスの謎に迫る為400万人のAI研究者が国を超えて結集した大型プロジェクト、医師たちあが求める情報をAIが瞬時に教えてくれる。
日本が誇るスーパーコンピュータ富岳が導き出したウイルスコロナの時代を生きる手がかりとは「出来るだけ早く経済活動が元どおりに近くなるようにする」にある。
先の見えない不安な時代にAIはどんな未来を示すのか。見えざる敵に挑んだAIと研究者達の挑戦の記録である。
感染はなぜここまで広がってしまつたか、もう少し押さえられたのではないか、その存在が明らかにされる前にウイルスの発生を警告するAIがいた。
2019/12/30の23時12分、あと40分で大晦日を迎えようとする夜、一本のメールがAIによって自動送信された。「中国武漢で原因不明の肺炎を確認」
中国の武漢でサーズとは判断出来ない原因不明の肺炎を確認、7人の患者が危篤状態にある。という警告だった。宛先はWHO(世界保健機関)-公衆衛生に関わる世界的な課題に対処する。
当時中国の保健当局はこの異変を公式に発表していなかった。後に新型コロナウイルスと命名される恐ろしいウイルスが発生した事を殆どの人は知らなかった。
世界で最も早くウイルスの発生を警告したAIはアメリカのボストンのチームのものだった。2006年に設立され、世界中の感染症の発生をAIを使って監視して来た[ヘルスマップ(感染者を監視する非営利団体]である。
これまで2014年西アフリカで拡大したエボラ熱や2016年に中南米に拡大したジカ熱よ発生を、初期段階で検知し、警告して来た。それを可能にしたのがAIを使ってSNSやニュースメディアを、モニターリングするシステムだ。
171件の特定のソース、20万件のWebサイトを15ケ国語、24時間体制でチェック、その中から感染症に関連する単語を抽出し、その地名、感染者数を計算する、それがAI による自然言語処理と言うプロセスだ。
情報はAI によって分類され緊急性が高く危険性の高いものが選ばれる。(1日の警告数3000,警告場所4万件)こうして発生した感染症の発生を地図上で自動的に表示し、ホームページで公開している。
AIとコロナとヘルスマップー14(2)
コロナとハラリの世界連携ー13
池上さんが聞く-遺伝子の化粧ー6
これまではDNAをコピーして、RNAに写して指示してきました。人は化粧で変わりますがDNA も同じ事が起こると分かってきました。一卵性双生児は遺伝子が同じですが、別々の環境で育つと、性格や考え方も変わる事が追跡調査で分かってきました。
DNAだけでは説明出来ない。DNAの配列に変化が無くても転写や翻訳が変化する生命現象を調べる分野が生まれている。それはエピジェネテイツクと言います。
究極的には遺伝子できまるが、環境によってどのくらいRNAに転写されるか、その結果タンパク質の量も変わってくることがわかつてきた。
遺伝子が活性化したり、眠ったままになるかは環境によって影響を受ける。それがゲノムの化粧です。
特に受精卵から皮膚や神経、消化器科、骨など別々の細胞ができますが、その度にゲノム化粧が大規模にされると考えられます。
◆エビジェネテイツクスは子供に受け継がれますか?
あり得ることが最近わかってきました。第二次世界大戦の末期にオランダで飢饉があり、その時妊婦だった人から生まれた子供を追跡調査した研究では、胎児期に飢饉を経験すると大人になってから肥満や糖尿病になりやすく、遺伝子で化粧が変わる事がわかってきました。
後天的に獲得した体の形質は遺伝しないと言われていたのに、ものによっては遺伝するらしい事が分かった。
池上さんが聞くータンパク質ー5
◆細胞の定義である「境界、自己増殖、代謝」の内境界と自己増殖について取り上げてきました。細胞膜と言う境界やDNAが複製されて細胞分裂し、増殖する能力でしたが、代謝とはなんですか?
代謝とは細胞のなかで起こる化学反応や物質のやりとりの事。DNAを複製したり、細胞の外にあるブドウ糖を細胞内に、取り込んだりする事です。
この働きはタンパク質の働きで起こされます。タンパク質は細胞が生きていくための機能、つまり生命現象のすべてを司っています。
◆タンパク質は具体的に何をしていますか?
生命の中ではなんでもやっています。呼吸の場合、血液中で酸素を運ぶヘモグロビンはタンパク質です。
消化酵素では食べ物を細かく分解するアミラーゼ、脂肪を分解ふるリパーゼ、タンパク質を分解するペプシンなどは全てがタンパク質です。
タンパク質分子はナノメートル単位、10億分の1メートルの小さなものが集まって心臓も動かしている。人間の体を会社とすると、タンパク質はその社員みたいで、全体で2万5000種類あります。
◆生物の統一原理とは何ですか?
生命の設計図DNAと凡ゆる生命現象を担うタンパク質とはどうつながるのでしようか、ここでセントラルドグマ(生命の統一原理)が登場します。
DNAからタンパク質を作る時RNA と言う介在物質があると言う仮説が表れました。RNAはDNAに似た物質ですが、らせん状態では無く、一本の紐です。
これがDNAの一部を複写し、RNAを元にタンパク質が作られる。この仮説は正しいことが証明されています。このセントラルドグマは地球上の全ての生物に共通の仕組みです。
池上さんが聞くーIPS細胞ー4
◆DNA鑑定とは何を調べるの?
DNAの塩基の並び方にはすこしだけの差、個人差があります。犯罪捜査や親子鑑定の時使われるDNA鑑定では、個人差を何箇所かしらべて、同一人物か、親子かの確率を高めます。
◆クローン、ES細胞.IPS細胞とはなんですか?
細胞には色々ありますが、1番最初の受精卵は手足にも心臓にもなります。つまり万能細胞です。
通常手足の細胞になると、万能細胞の内手足の機能に必要な部分のみがスイッチオンとなり、不必要な機能は全てスイッチオフとなる。
ES細胞は受精卵が細胞分裂した時に採取された細胞で、未だ全てがスイッチオンの状態です。従って凡ゆる種類の細胞に変化できます。
IPS 細胞は皮膚や白血球など、既に特定の細胞に変化してしまったものを、変化前に戻した細胞です。
つまりスイッチオフになっていたものを、全てオンに戻すのです。正式には人工多能性肝細胞です。
一度変化したら元に戻らないのが常識でしたので、最初に発見した山中伸弥先生も理解してもらうのに苦労したそうです。
受精卵からES細胞を取り出すのは大変ですがIPS 細胞は普通の皮膚細胞からでも採取出来る利点があります。
◆IPS 細胞を使ってどんな事ができますか?
IPS細胞が発見されて約十年が経ちますが、最初は網膜色素上皮細胞シートを作り、加齢黄斑変性症の患者に移植した例は大きな副作用も起こっていません。
他にはIPS細胞から作ったドーパミンと言う神経伝達物質になる前の細胞をパーキンソン患者に移植する。
角膜の目の病気の患者にIPSの角膜上皮細胞シートを移植する、心筋症患者に心筋細胞シートを移植するなどが行われてきました。
細胞を使って病気や怪我を治す「再生医療」に使われるようになっています。さらには薬作りにも使われています。
例えばIPS細胞から肝臓や神経細胞を作って、肝臓や神経の病気に対する薬を試して見る方法です。いきなり人の肝臓にテスト出来ないので、すごく有効なやり方です。
池上さんが聞く遺伝子とはー3
◆植物と動物は何が違うのですか?
地球の歴史では植物が最初に陸に上がり、一酸化炭素から酸素を作る事で、動物が陸に上がる環境ができました。
植物は光合成により、一酸化炭素から炭水化物や酸素を作ることが出来るのです。
光合成の能力は最初は光合成細菌というバクテリアが海中にいました。光合成細菌が植物の細胞に入り込んだと推測されます。
生命の歴史上での大変化は二回起こっています。1回目はミトコンドリア、2回目は葉緑体です。
◆ミトコンドリアとはなんですか?
地球上に酸素が溢れていた時、酸素を食べてエネルギーを作るミトコンドリア言うバクテリアが生まれました。
このバクテリアを自分の細胞に取り込んだ生物は大量のエネルギーが出せるようになり、生命の活動領域が広がりました。
さらに続いて光細菌も細胞に入り込んで葉緑体になりました。ミトコンドリアも葉緑体も元は別の動物でした。このように他人の細胞に入り込んでお互いに利益を得る現象を細胞内共生と言います。
◆動物は動きまわりますが、植物は動かないのはなぜですか?
動物はエサを食べないとエネルギーが獲得出来ないが、植物は水と光と二酸化炭素が有れば動かなくてもエネルギーが獲得できるからです。
◆DNA、遺伝子、ゲノム、染色体はどう違うのですか?
遺伝子は昔から親から子は受け継がれる遺伝の情報の意味でした。い遺伝に関わる具体的な物質があるに違いないと探した結果1950年頃に遺伝を担う物質がDNA(デオキシリボ核酸)と分かりました。
ゲノムとは遺伝子を全てひつくるめて、生物に必要な遺伝子全ての事を言います。
染色体は当初細胞「染色して顕微鏡で観察したら細胞のなかで一部染まっているものがあつたので、染色体と言ったそうです。染色体はDNAが折り畳まれて、顕微鏡で見える程度の大きさになったものを言います。
つまり遺伝子やゲノムは生命の中の情報であり、DNAと染色体は物質である。そして遺伝子をまとめたものがゲノム、DNAの集まったものが染色体になります。
池上さんが聞くーウイルスとはー2
◆細胞が生きているとはどう言うことなのか。さらに細胞とは何なのか?
人間も昆虫も植物も凡ゆる生物に共通のものが細胞です。全ての生物は細胞からできています。
では細胞の特徴は①境界、②自己増殖、③代謝、の3つの定義があるようだ。
まず細胞膜で囲いを作って他から隔離します。そしてその袋の中で外から取り込んだ物質からエネルギーを生み出して、新しく物質を、作ったり、排出したりするなど化学反応を起こします。その一連の流れを代謝と呼びます。
◆ウイルスとは何か、ウイルスは生物なのか、物質なのかの疑問があります?
ウイルスは自分自身でエネルギーを作ったり増殖する事は出来ない。
入り込んだ先の細胞の力を借りて増殖する。だからウイルスは定義から見て生物ではありません。しかし細胞に潜り込んだ後の行動は生物のように見えます。
ウイルスの中には細菌(大腸菌や乳酸菌)よりもサイズやDNAの大きいものもあります。
逆に他の細胞に寄生しないと生きていけない細菌もあります。
肺炎の元になるマイコプラズマは大きさが0.0003ミリメートルで遺伝子が500程しかありません。人間の細胞は0.1ミリメートルで遺伝子は2万5千種類です。
極小の生物ですが、必要最小限の代謝しかできないので、入り込んだ先の細胞から材料を集めて生きていきます。日々研究や発見が進む分野だから余計に生命の定義も難しくなっています。
◆地球で最初に生まれた生命はどんなものだったのでしょうか?
最初は海の中で一個の細胞だけで活動する単細胞生物から始まったと考えられます。
実際に30億年前の地層からは単細胞生物の痕跡が見つかっています。いわゆる大腸菌のような単細胞生物が生きた時間は長かったと思われます。
◆最初の生物は宇宙から来たと言う説もありますが?
宇宙から来たかもしれませんが、細胞膜やDNAがどうしてできたか、実は何にも分かっていません。
細胞はどんなものかが分かってきましたので、細胞を作る取り組みが始まった所です。
化学合成でDNAを作って、自然界の細胞の中へ入れて自己増殖させる事かやっと可能になってきました。科学の分野で「合成生物学」と言います。
◆多細胞化が生まれたのはなぜですか?
それもわかりません。これまでは一般に見る生物を、研究材料にしてきましたが、最近は深海や低温、高温など極限状態の環境で生きている生命も多く発見されております。
数百年に一回しか細胞分裂をしない生物が発見されるかもしれません。そして一個の細胞だけで生きるには限界があります。
複数の細胞が集まって役割分担すれば複雑な機能を持てるようになり、色々な環境に対応し易かつたと思われます。
◆オスとメスがあるのはなぜですか?
多細胞生物が生まれた後さらにオスとメスが生まれたのはなぜか、それは多様性を作るためです。
人1人が生き延びると言うより、ヒトと言う生物種を、生き延びる確率を増やす為です。
同じ生物種でも一個体同士は少しずつ違うからオスとメスを作って遺伝子を混ぜることで違う組み合わせの生命ができるのです。
このような遺伝子の多様性を作る仕組みが出来たとき.生物の種類が爆発的に増え、色々な形態の生命が誕生しました、その一つがオスとメスであり、やがて植物や動物が誕生したと考えます。
池上さんがきく-生命の仕組ー1
新型コロナウイルスと言う難敵に直面し、ウイルスとは生命とはを考えてみる必要を感じていた所、池上彰さんが生命の専門家の、東京工業大学の岩崎博史、出口英樹先生に質問する解説本が出ました。大変わかりやすく面白いのでまとめてみました。
高校の教科書が変わりました。遺伝現象に関する話題が増えています。1953年にDNAの二重らせん構造が分かり、生物学は爆発的に発展し、劇的に変化しましたが、教科書の内容が古いままでしたので、2012年から新しい指導要領が実施され、生物の内容が一変しました。
これまでは色々な生物についての説明が多かったですが、「生命とは何か」と言う根本原理をベースに考える視点が加わりました。
池上彰さんが質問しました。
◆今の時代に生命科学がなぜ必要になるのですか?
1つは「生命とは何か」を理解する事は現代社会の基礎知識になります。生命科学は20世紀の半ばから爆発的に発展し、多くの現象が発見され、日常生活にも浸透してきました。もう一つは「自分は何か」を考えるためです。
◆「生命とは何か」「生きてるとは何か」言い換えれば生きていると死んでいるの違いは何かと言うことです?
一個の細胞からできている単細胞生物と複数の細胞が集まって出来ている多細胞とでは見方がかわります。
多細胞生物のような複雑な生物では生と死の境界は見方によって違います。細胞レベルで見るか、個体レベルで見るかの違いです。
人が生きている、死んでいるの議論の前に、一個の細胞が生きている、死んでいるの違いを考えた方が良さそうです。